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No,0004 ハジマリ
俺は、目を覚ました。
というより、覚めてしまったといったほうがいい。
なんせ、俺は外にいたのだから。
「ッ!?」
ここには見覚えがあった。
俺の家から数キロ離れた所だ。
だが、俺が驚いたのは目が覚めたらここにいたからではない。
目の前に、女性がいたからだ。
だけど、俺が驚いているのは、その女性の、
下半身と右腕がなかったからだ。
血まみれのその女性は、俺にこう言った。
「契約を、結んで」
その意味が、俺には分からなかった。
だけど、俺はその女性を助けたいと思った。
俺が、その女性に手を差し伸べようとした瞬間、何かが起きて、俺の意識は落ちた。