No,0019 カレー
そして、俺達は城から少し離れた所にある町へやって来たのだが…
「結局はただのショッピング目当てか…………」
「いいじゃない、たまには」
まぁ、そうでもあるのだが………
「よし!次はあのお店〜!」
妙にテンションの高いリストゥアだった。
結局、俺達は昼過ぎまで遊んでいた。
そんな中リストゥアが
「ねぇねぇ」
「ん?何?」
「そろそろお腹すかない?」
「まぁ、確かに腹減ったな」
「それじゃ、帰りましょうか」
「その辺の店で食うという選択肢はないのか?」
何か理由でもあるのかと思っていたら
「私の手作りが嫌なの?」
「それを先に言ってくれ!」
かくして、俺達は城へと帰った。
正直、ものすごく期待している。
「何か食べたいものはある?」
「カレーって作れるか?」
「激辛カレーでもいい?」
笑顔ですごいことをいうな、リストゥア。
まぁ、その笑顔が可愛いから許すか。
「…極辛ね、分かったわ」
「ちょっ!?今の読まれたの!?」
しかもなんだ?“極”辛って。
「出来てからのお楽しみ〜」
なんだかものすごく怖い事になりそうな予感がする………
結局、俺の期待は外れなかった。
というか、予想斜め上の料理の上手さだった。
出てきた料理が赤いという所を除けば。
「な…なんで赤いの?」
「さぁ?愛情を入れすぎたかしら?」
まぁ、俺のためにリストゥアが作ってくれた訳なので
一口食べてみた。
「…あれ?」
「どうしたの?」
「辛く……ない…」
まったく辛くない。
普通のカレーだ。
「それは舌があまりの辛さに狂ってるだけ」
「え?マジ?」
たしかに、辛い感覚が全くしない。
「直す薬あるけど飲む?…めちゃくちゃ辛く感じるけど」
「………飲む」
もう我慢して食べよう。
「じゃあ、目をつぶって」
「なんで?」
「いいから早く」
渋々と目をつぶる俺、
何かされそうで怖い………
だけど、その直後リストゥアが取った行動は………ッ!?