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まだ先のはなし

作者: Soraきた
掲載日:2026/06/24

月夜に浮かぶ乗り物

子どもの頃のわたしは

買ってもらったばかりのクレヨンを

両手にして

思いのままに

描いていた


初めて描いた、その絵は

誰かに褒められたような気もしたけど

ただの記憶違いだったかもしれない

きっと記憶のあやまり


それから、

趣味とまではいかないけど

何年か前から

時間を見つけては

クレヨンから筆に持ち替えて

おなじく

月夜に浮かぶ乗り物を描いた


あの頃のこと

もう覚えていないのが

ちょっぴり残念だけど

たしか、わたしの描いた月夜の下には

憧れだった砂漠を描いていたと思う

もう、行きたい場所に来て

夢を叶えた自分がそこにいた

たぶん、子供なりに

誇らしげにしてたのだろう


いま、描くとしたら

月夜の下は

どんなふうに描くんだろう・・

たぶん、砂漠は無いのかな

あるとしたら、

あなたの街の風景

それとも、わたしが最近好きになった

あの場所なのかな


わたしは久しぶりに

クレヨンを買ってきて

あの頃を思い出しながら

描いてみた


月夜の砂漠にふたり

あのとき、わたしのそばで

恥ずかしけに笑ってた、

隣の席の男の子

褒めてもらったりもした

わたしが描いた砂漠には

キミとふたり

知らないあいだに

思い描いてた


そんなことをふと思い出せた

何年、何十年ぶりに


嬉しくもあり

わたしはなぜ、あの子とふたり

それを描いたんだろうと

少し照れて笑った









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