『まじめでない速記者、山に入る』
掲載日:2026/05/07
一人の速記者がいました。まじめに練習するほうでもなく、なかなか上達しませんでした。師匠に当たる人が、心配して、山に入って精神修養するように勧めますと、翌朝、速記者は、言われたとおりに山に入っていきました。ところが、半月ほどたっても山を下りてきません。兄弟弟子に当たる人たちが心配して、探しに行こうとしたちょうどそのとき、速記者は帰ってきました。半月もの間、どこに行っていたのか尋ねますと、速記者は、山に入って木の下で座禅みたいなことをしていたら、老人があらわれて、手伝ってほしいことがあると言われたので、物を運んだりしていたら、日が暮れたので下りてきた。半月もたっているというのが驚きだ、と答えました。
速記者は、山に入って速記の練習をすれば、長時間練習したことになるので、上達も早いのではと思い、もう一度山に入りましたが、ほとんど上達しませんでした。
教訓:山に入っても、まじめに練習するほうではなかったので、ただ長い時間が過ぎただけで、速記は上達しなかったのである。




