赤ブタ
北エリアにて。
「こんにちは」
「ぶいっ!」
タカナシは赤ブタに挨拶をする。
アーマードボアを倒して以降、この赤ブタを見かけるようになった。
鑑定によるとミニブタと表示された。一応モンスターらしい。
友好的なタイプらしくいつの間にか白玉たちと仲良くなっていた。
タカナシのいない時にチョコたちのレベル上げにも付き合ってくれているらしい。
赤ブタは見た目はただのミニブタなのだがそこそこ強いらしく、他のモンスターが吹っ飛ばされているのを時折見かける。
「ぶいっ」
「ありがとう」
タカナシが素材採取しているとこうして手伝ってくれたりする。
お礼に料理を渡すと喜んで食べ始める。
残念なのは赤ブタとは同種族ではないので眷属にすることはできないこと。
テイムスキルもないので現状は仲の良い隣人のような関係だ。
幸いなのは赤ブタは北エリアを縄張りとしていて他のエリアに出ないことだ。
既にエリアボスを倒したあとなので赤ブタの脅威となるモンスターは北エリアにはいない。
もしかしたら赤ブタはアーマードボアの後釜なのかもしれない。
そうだとしてもタカナシが赤ブタを倒すことはないだろう。
敵対していれば別だが今のところ友好的な関係を築けている。
無理に戦う必要もない。こういうモンスターがいてもいいだろう。
他のプレイヤーがいればトラブルになるかもしれないが、ここは無人島でタカナシしかプレイヤーはいない。
気兼ねなく好きにできる。
白玉たち眷属はもちろんのこと、赤ブタのような無害なモンスターも自由気ままに過ごして欲しい。
そう考えるとこの無人島はこのまま解放しない方がいい気がしてきた。
まぁ現状ここに出入りする手段はないので、杞憂ではあるが改めて方針を決めておくのは大切だ。
ひとまず全てのエリアを解放するのは決定事項とするとして、その後はのんびり無人島ライフを楽しもう。
そんなことを考えながら今日も白玉たちと戯れるのだった。