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拠点作り



3日目。


ログインし立ち上がろうと身体を起こして頭をぶつける。

前回ログアウトしたのが狭い空間だったことをすっかり忘れていた。


一度外に出て軽く伸びをする。



今日は最初にこの木の洞の地下を広げ部屋を作る予定だ。

連休もあと2日しかないので、まとまった時間が取れる内に生活基盤を整えようと考えている。


やり方などは下調べしておいたので、早速作業を始める。


木の洞に入り地面を土魔法で掘り始める。落とし穴のような空間ができた。そこを中心に木の根を避けつつ空間を広げていく。


しばらく作業を繰り返すとワンルーム位のスペースを作ることができた。明かりがないので火魔法で照らし周囲を確認する。壁は土魔法で固めたので崩れる心配はないだろう。


地上に繋がる入り口は土で固めた階段を使い登れるようにした。これでログイン時に頭をぶつける心配はなくなった。


リンゴを食べ一休みする。ついでに昨日取った貝を確認する。

名前はフジツボ。名前通りなら多分食べられるだろうが、流石に生で食べる気にはならないのでしまっておく。



次は周辺の探索と素材探しに出る。


一応拠点にすると決めた時に周囲の安全は確認しているが、簡単なものだったので改めて行うのと同時に食べ物や道具に使える素材を見つけたい。


この近辺に人のNPC、プレイヤーはまずいないと見ていいだろう。そしてここが島だとすると今後も一人でやっていけないとならない。


つまりゲームを続けていくにはこの場所を一人で開拓し自給自足する必要がある。


タカナシは元々人と違うプレイを望んでいて更にいえば自然で過ごすサバイバル生活にも憧れていたのでこの状況はラッキー位にしか思っておらず全く問題なかった。




モンスターがいないか気を配りつつ探索を始める。


途中生えている草をいくつか採取しインベントリに収納して進む。


拠点とした木の周辺を一回りした。どうやら近くにモンスターはいないようだ。


一度採取した草を確認する。そのほとんどは雑草。唯一アイテム表示された薬草はたった1つだけだった。


鑑定が使えないので事前に薬草の姿や特徴は調べていたのだが、やはり目視だけで判断するのは難しかった。


このゲームでの初期スキルの取得方法はギルドや図書館にあるスキルの本を読むか、NPCからスキルを教わるのが一般的だ。


しかしタカナシのいる場所では上記2つの方法は取れない。その為スキルを得るには自力でなんとかするしかない。


例えば鑑定ならアイテムと思われるものを採取しインベントリに入れ確認、食べ物なら食べてみて確認するなど。この作業をひたすら繰り返す。


個人差もあるが大体2,3日程作業を繰り返せば取得できるとロケテ時に判明している。なのでその内鑑定スキルは取得できるだろう。


今のところロケテ時に判明している情報で変更されているものはない。


一般プレイヤーからしたらロケテ時の情報は有用なものが多いが、人外種族のタカナシは違う。

人外種族についてランダムガチャから先の攻略情報はない。その上種族もスタート地点も皆バラバラなので情報共有もできない。


活用できるものといえばスキル関係やアイテムやモンスター情報だが、それらも先のエリアにいると思われる彼らでは使えるものが少ない。何故なら未発見のものが多いからだ。


完全に手探り状態で進めるしかないのだが、タカナシ含む人外プレイヤーたちは進んで人外種族を選ぶだけあって皆変わり者ばかり。各々自由に楽しんでいた。



タカナシは引き続き薬草と思われる草を採取しつつ探索を続ける。


薬草採取だけでなく、拠点作りなどに必要なものも探す。縄になりそうな蔦、ナイフになりそうな石、木の枝などなど。


良さげなものを見つけてはインベントリに収納する。


程々に素材が集まり周辺の探索も終わったので拠点に戻る。


ナイフ代わりになりそうな石と縄にできそうな蔦を見つけられたのはラッキーだった。

今後の生活レベルを上げるために役立つことだろう。


拠点周辺の安全については、今のところモンスターが現れる気配はなく油断せず行動していれば問題なさそうだ。


他にも食べ物になりそうな実もいくつか発見できた。あとは海以外の水場があればいいのだが、それはおいおい探すことにしよう。



ここに腰を据えることに決めたので、拠点周辺の整備に取り掛かる。


まず入り口周りの土を盛る。浸水対策だ。ここの気候はどんな感じかわからないが、多分雨は降ると思うので水が入らないようにしておく。

拠点は地下なので用心するに越したことはない。


次に木の周辺の草刈りなど行う。木の周りは少し開けた感じになっているので今後作業スペースや畑などにするのもいいかもしれない。


なんとか手入れされている場所とわかる位にはなった。今はこれ以上のことはできないので十分だろう。



アナウンスが鳴る。どうやら拠点として認められたようだ。


拠点になったことで少なくとも拠点内にモンスターが現れることはなくなり、アイテムや素材を置けるようになった。これは有り難い。


アイテムや素材は拠点のような特定の場所以外に放置していると消滅してしまう。

今はまだインベントリに余裕があるので問題ないが、その内圧迫するだろうから保管できる場所ができたのは助かる。



セーブポイントはあくまで緊急措置のようなものでログインログアウトしかできず、近くにモンスター現れることもあったので安全に過ごせるようになって良かった。


とりあえず目標は達成できたし、きりの良いタイミングなので今日はログアウトすることにした。


地下の部屋に入りログアウトする。

明かりがないのが不便だ。何か良さげなものがないか調べておこう。


次回は道具作成をしたい。







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