エンカウント
北エリアの探索をするようになり数日。
今のところ危険な場面に出会うことなく進めている。
眷属召喚という保険があるが警戒は怠らずに心がけているおかげだろう。
探索を進めていくことでアーマードボアの行動範囲が少しずつわかってきた。
どうやら決まった巡回ルートがあるようで、そのルートにさえ入らなければ出会うことはないようだ。
と思っていたのだが、
「マジかよ」
タカナシたちの目の前にはアーマードボア。
いつものように採取をしていたら突然目の前に現れたのだ。
モンスターが突然ポップすることは知っていたが、まさかエリアボスもポップするとは思っていなかった。
逃げるにしても距離が近すぎる。しかし戦うには準備不足なのでここは撤退することに決める。
白玉たち全員ここに揃っている。すぐに送還できるよう精霊剣を出す。
眷属召喚の選択画面を表示させると、もなかとナッツの名前が点滅している。
タカナシが操作する間もなく勝手に2匹が召喚される。
まずナッツがタカナシの目の前に現れる。
続いてもなかも現れるかと思ったが姿が見えない。
表示では既にパーティに含まれているのでこちらにいるはずなのだが。
アーマードボアは今のところ動く気配はないようだ。こちらの様子をうかがっている。
白玉たちが睨みを効かせているおかげだろうか。
空から何か落下する音が聞こえる。
音が近づくにつれてその姿が明らかになる。
その正体はもなかだった。
何故空から現れたのか?などと考えていたら減速することなくアーマードボアの真上に落ちる。
ドスンと大きな音が響く。
アーマードボアはもなかの下敷きになっていた。