上手に肉を焼きました
タカナシ不在のとある日。
拠点では白玉たちが何やら準備をしていた。
どうやら全員で外に出かけるようで皆小さなかごを背負う。
タカナシに頼まれている素材採取をするようだ。
出かけて1時間程すると白玉たちが拠点に戻ってきた。
かごには道中で採取した素材が詰まっているが、猫サイズのかごなので詰められる量はそんなに多くない。
かごに入らない大きさの肉などは咥えて運んでいた。
集めた素材は置いてある木箱に分別する。
肉はすぐに食べるようで調理場に持っていく。
あんこが手慣れた様子で黒い手を使い肉を肉焼き機にセットする。
肉焼き機は回転させるタイプのものだ。
錬金釜のおかげで便利な道具が色々増えた。
「なー」
あんこがもなかを呼ぶ。
もなかはのそのそとやってくると、肉焼き機に火をつける。
もなかはタカナシと同じ属性の魔法が使えるので、タカナシがいない時に火を付けるのはもなかの仕事だ。
肉を焼く準備ができると白玉たちが肉焼き機の周りに集まる。
「なっ、なっ、な〜」
「「「にゃ、にゃ、にゃ〜」」」
肉を回すのに合わせて歌い始める。
タン、タン、タン。
白玉が一定のリズムでカスタネットを鳴らす。
「なー!」
「「「にゃー!」」」
歌い終わるとこんがり肉が焼けた。
料理スキルを持たない白玉たちが上手く調理できるよう色々と試行錯誤した結果がこの歌いながら調理する方法だった。
歌うことで肉が焼けるタイミングを確認するこの方法は正解だったようで今のところ失敗はない。
食に貪欲なあんこが戦闘よりも集中しているので成功率が高いのは当然ともいえる。
同じ作業を繰り返し人数分の肉を焼くと皆で仲良くごはんタイム。
食事が終わると各々自由に過ごし始める。腹ごなしの運動をしたりそのまま昼寝をしたり。
タカナシがいない日は大体こんな感じで過ぎていく。