タイラントベア戦
ログインする。
持ち物など最終確認を済ませ早速タイラントベアの寝床へと向かうタカナシたち。
移動は木の上からなので道中戦闘はなく無傷で目的地に辿り着く。
中央エリアと東エリアの境界、切り立つ高い丘が壁のように一面広がる場所。そこにある大きな洞窟。
この洞窟がタイラントベアの寝床だ。
まるで中央エリアに行くにはこの洞窟を通れと言わんばかりの配置だ。
実際丘を登れないか一度試してみたが、途中で見えない壁のようなものに阻まれてしまった。
エリアボスを倒さないとダメなのか洞窟を通らないとダメなのかはわからないが、どちらにせよタイラントベアとの戦闘は避けられないようだ。
攻略は置いておくにせよタイラントベアを倒すのは既に確定している。
東エリアの安全を確保する為だ。
そうすれば白玉とあんこもタカナシがいない時でも拠点の外を自由に出歩けるようになる。
タイラントベアが洞窟内にいることは確認している。
「白玉頼む」
「にゃあ!」
白玉が魔法を洞窟に向け放つ。眩しい光が洞窟の入り口まで照らす。
獣の叫び声が洞窟内から聞こえたかと思うと、タイラントベアが洞窟から出てくる。
光で目をやられたのかタカナシたちのことは見えていないようだ。
「にゃ!」
間髪入れず白玉がタイラントベアに向け魔法を放つ。
白く輝く球はタイラントベアの頭上へ。眩しい光が周囲を照らす。
「なっ!」
タイラントベアの影から黒い手が現れタイラントベアを拘束した。
白玉の魔法により普段よりも濃くなった影。それによりあんこの魔法の効果は高くなっている。
予想通りタイラントベアでも容易に拘束を解くことはできずもがいている。
「白玉、あんこ俺の後ろに下がれ!」
タカナシの手には白く輝く精霊剣。
「だぁっ!」
精霊剣を振り抜くと斬撃がタイラントベアへと直撃する。
精霊剣のスキルの一つで所有者の魔力を増幅し斬撃として放つものだ。
タカナシの全魔力を込めた一撃はタイラントベアに大ダメージを与えていた。
が、タイラントベアを倒すには至らず。
「くそ、まだ倒れないか。白玉、あんこもう少し頑張ってくれ」
タカナシは丸薬を口に放り込む。
丸薬は魔力草を圧縮したもので回復効果と共に苦さも凝縮されている。
苦さに耐えながら次々と丸薬を口に放り込むタカナシ。
丸薬により回復した魔力を精霊剣に流し込む。
再び光を放つ精霊剣。
「これで決まれ!」
今度は精霊剣を突く。
先程の斬撃と違い一点に集中した攻撃がタイラントベアに直撃する。