生配信
週末。午後からログインする。
ログインして早速配信の設定をする。生配信になっていることを確認しアリスが来るのを待つ。
『こんにちはタカナシくん。えーと聞こえてますか?』
「ああ聞こえてるよ」
アリスがやってきた。視聴者はアリスだけなのでボイスチャット機能を使っている。
『今日は誘ってくれてありがとうございます。白玉ちゃんとあんこちゃんもこんにちは。って聞こえないですよね』
「にゃあ」「なー」
白玉とあんこが挨拶を返す。
「ん?もしかしてアリスの声聞こえているのか?」
2匹共コクリと頷く。
「なーなー」
あんこが何も無い空間に向かって話しかけてる。
『あのタカナシくん、あんこちゃんはなんて言っているのでしょうか?』
アリスの問い掛けであんこの視線の場所にゲーム視点を設定したことを思い出す。
あんこはそこにカメラがあることを理解しているようだった。
ボイスチャットもだがこういうメタ的な要素にNPCって反応するもんだっけ?
「えーと、自分がここの案内をするって言ってる」
『あんこちゃんが私の為に案内してくれるんですか!是非、お願いします』
正確には新入りにここのルールを教えてやるみたいな感じなのだが、アリスが喜んでいるので黙っておく。
「にゃあ」
白玉がやって来てあんこがすみませんと申し訳なさそうに謝罪にする。気にしないようと頭を撫でておく。
なんかお互いウィンウィンっぽいし結果オーライだろう。
あんこの案内が始まる。
「なー」
「この柵から出ると危ないから出ちゃだめって言ってる。これは白玉とあんこに拠点の有効範囲がわかるようにとりあえず囲っておいた」
「なー」
「ここは昼寝するのに一番いい場所だって。あー、確かに日当たり良さそうだなここ」
「ななー」
「これは主が作った登りやすい木。これは木登りの練習用に作ったキャットウォークみたいなやつだな」
「な!」
「これに乗ると楽しい、オススメ。これは試しに作ったブランコだな。俺が使うにはちょっと強度が不安だけど白玉とあんこにはちょうどいい感じっぽいな」
あんこの通訳に補足を入れつつアリスに説明する。
その後もあんこによる案内は続き、
「なー!」
「以上、わかったかって言ってる。まぁ拠点内については大体あんこの案内通りかな」
『あんこちゃんありがとうございます。よくわかりました』
「ななー!」
満足そうにドヤ顔をするあんこ。
「まだ時間あるな。アリス、少し外を散策する感じでいい?」
『はいお任せします』
「わかった。白玉、あんこちょっと外散歩しようか」
白玉とあんこを連れ拠点近くを散策することにした。
「おっ、島ウサギか。白玉頼む」
「にゃあ」
白玉の攻撃で島ウサギを倒す。
「なー」
「ああ、次出たらあんこ頼むな」
あんこはアリスにいいところを見せたいらしくいつもより張り切っている。
「あんこ、来たぞ」
島ネズミが現れる。
「なー、な!」
島ネズミの影から黒い手が現れ、島ネズミを拘束する。
「なー」
拘束した島ネズミに魔法を放ち島ネズミを倒すあんこ。
「あんこ今の黒い手みたいなのって新しい魔法か?」
「なー」
ふふんと誇らしそうにするあんこ。最近覚えたらしい。
『あんこちゃん凄いです!白玉ちゃんもカッコよかったですよ』
アリスに褒められ嬉しそうにする白玉とあんこ。
その後、何度か戦闘と採取を行い拠点に戻った。
「じゃあ今日はこの位にしようか。アリス楽しかった?」
『はい、大満足です。あの次も来ていいですか?』
「アリスが大丈夫ならいいよ」
『ありがとうございます!白玉ちゃん、あんこちゃんこれからよろしくお願いします』
「にゃあ」
「なー」
次回も生配信する約束をしログアウトする。