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29.双子星
❝断続的且つ、幾何学的に再配置を繰り返すビル群❞の中に、いくつかドーム状の部屋を二つ持つ建物があった。
一つの部屋から出て、もう一方の部屋へと移動する老人が一人。
部屋に入ると中央にテーブルと椅子がセットされている。
腰掛けると、テーブルの机の上に『地球上のどこにも記されていない文字』で、その内容がふわっと浮かび上がった。
『双子星のリスト』。『コニル・ゲルシア』・・・・・・100パーセント。『サジャ・ルゴ』・・・・・・95パーセント。『パル・アグダラ』・・・0パーセント。
老人が『パル・アグダラ』の文字列をなぞると、老人の背後に轟音とともに「スクリーン」が出現し、その美しい星を映し出した。
一つは、アグダラ・・・。
もう一つは、地球だ。
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それを見た老人は、真剣な顔ではあるが、その光景を眺めることしかしないのだった。
『一つ上の次元の存在』として、下位の次元の事象に直接干渉することは許されない。当事者である存在が、自らの選択と行動で未来を紡ぎ出さなくてはならない。 それが、宇宙の摂理であり、彼の次元が守るべき不干渉の原則なのだから。




