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感情FEVER 学園編  作者: きんたろ
27/49

27.それぞれの想い 朝比奈ケイトの場合

「あ、お嬢様!」

「あ、圭介さん。」


 午後3時を過ぎた頃。皆と別れたケイトが少し疲れた顔で郊外を一人歩いていると、公園の近くでまるで待っていたかのように【ASAHINA Group】の文字が記されているワゴン車が停車していた。その横で立っていた『運転手』は、見た目20代後半の男性、『沖田圭介』なる人物で、ケイトの事をよく『世話』している人間だった。偶然を装い合流するのは、ケイトがその時居る場所の遥か上空で常時監視している『朝比奈グループ医療班』の判断により、地上班へ連絡が行き即対応される為である。


「お疲れのようですね。乗っていきませんか?」

「んー…、ありがとう。今日は甘えていいかしら…」


 余程の事が無い限り、甘えない事にしているものの、流石に今日は疲れたのか、ケイトは圭介の言葉に甘えることにした。ケイトを2列目シートの奥に座らせ、運転席に戻り車を走らせる圭介。静かな車内でかわってゆく外の景色を真剣に眺めるその瞳を、圭介は運転しながらも見逃さなかった。


「なにか…あったのですか……お困りごとでも?」

「……。ううん、何でも無い……。」

「そう……ですか……。」


 ケイトは少し虚ろな目になった。


--

 圭介さんはここ2,3日、私にあった出来事、それすら知らない人……。BRFで【先ほど最後に知らされたこと】は、全く現実味を帯びていなく、未だ信じられない……。圭介さんにもご家族がいて、私よりも長く生きてきた人生がある。彼に、今何が言える……?不安を煽るだけ……。


 私に宿ったあの能力。なんの為にあるのだろう。それは一年後の『出来事』を阻止する為?仮にそうだとして……私に何が出来るのだろう?


 茜達3人は、同じことを知らされて、どんな思いだろう……?


 タイムリミットは、一年経つ頃には、きっと短く感じるんだろう……。

--


 能力を得た時の『喜び』とはうってかわって、『不安』の感情で胸がいっぱいになったケイト。その右手は知らぬ間に、静かに…ぼんやりと…緑色に煌めき始めたのだった……。






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