26.それぞれの想い 神宮寺レナの場合
心達3人が去っていき見えなくなると、レナは門の横の水道で足を洗い、自分の部屋へと向かった。
およそ年頃の女性部屋とは思えない自室。シックなブラックでなるべく統一されたその部屋で目立つものといえば、様々な格闘技の本でぎっしりの本棚と、格闘家のポスターが壁に貼ってあるくらいで、そんなに大きくはないタンスと、窓際にはシングルベッドがある。それ以外には、あまり物がない。質素とも言える。数えるほどしかないが、そんな部屋に親友である心を連れて来たことがある。部屋に入れる度に言われたのは『私の部屋以上に女の部屋っぽくない部屋!』。笑われたし、言われて自分も笑った。でも一度、ギャグで『ピンクの小物や可愛いぬいぐるみとかを買ってきて、それらのある部屋にしたら、心はびっくりするだろうな』、なんて考えたこともあった。もっとも意味がないしお金ももったいないのでそれは実行には及ばなかった。
ベッドに仰向けになって寝そべり、腕を頭の後ろに組みながら、先程までの事を考える。皆を家に連れ、BRFにも会わせたこと。
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BRFの事は大体解っていたつもりだった。しかし、クソ!心との友情の結果によるやり取りだと思っていた事まで掌で踊らされていたことには腹が立つ! たぶん、今のこの憤りまで父親や母親に、リサーチの名の下で知れ渡っているのかな。さらに腹が立つ! 心・ケイト・茜はどう思っているかな?家族だから私もBRFの手下みたいに思われているのかな? そして地球の危機を聞かされて、今どんな気持ちでいるかな?私はどうすればいいのだろう。なるようにしかならないならば、『なるべく』いい方向にいくようにつとめるしかないよな。とすると、結局この先もBRFの意のままに動くことになるのか。くそ。だけどそれはしようがないことか……。動くための別の理由が欲しい……。
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そのようなことを考え、一人葛藤したレナだったが、疲れが溜まったせいもあり、少しするとぐっすりと眠っていた。




