25.それぞれの想い 青空心の場合
「今日はいきなり呼ばれて、いきなり親父や咲さんからの色んな話聴いてもらって、悪かったな。」
心・ケイト・茜が神宮寺家の門を出ると、レナがお別れの挨拶としてそう言った。
「ホントだよ!!色々聴いてあんまり理解できてなーい!!」
「色々初めて知ったことが多すぎ!」
「私も勘吉の娘だけれど、断片的にしか教えてもらってなかったから、今日初めて知ったこととかもあったんだ……」
「勘吉さんも咲さんもこれから少しずつわかるって仰っていたけれど……」
「レナのお母さんレナそっくりでびっくりしちゃったよん」
「よく言われるよ。まぁ、そういうわけで今日は色々あったけど、明日からもよろしくな!」
「うん!」
「うん!」
「ばぁ~い。」
レナの家から3人の家への道は少し歩くと分岐する。レナと別れた3人はそれぞれの帰路へと去っていった。
青空心の帰り道。
心は今日見聞きしたことを思い出していた。BRFという機関の存在、そのリサーチ能力、黒い生命体のこと、施設内でみたアンドロイド達、オミナスベイパーという現象、あるべき真実、そして卓越感情という言葉。なんとなく理解は出来た。しかし最後に聞いた事が、まだ現実味を帯びていなかった。地球の危機まで1年間というタイムリミットだと唐突に聞かされて、今はまだ、はいわかりましたとはすぐに気持ちを切り替えることが出来ないでいた。しかしそれも次第に現実味を帯びていくことになるのだろう。とても普段の生活からかけ離れていて荒唐無稽ではあるが、それが『リアル』なのだから。
一方で、ナオト君のことをより前向きに考えることが出来るようになったのは収穫だった。
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私は『ナオト君はきっとどこかで絶対生きているはず』と思ってずっと強さを求めてきた。そしてそれはどうやら正しかったみたい。もっとも、その地が『惑星』だった事は私の想像を遥かに超えていた。なんとなく、『穴に入ることさえできれば簡単にそこに行けるかもしれない』といった程度しか考えていなかった。惑星なら地球と同じ様にその地で呼吸ができるのか?とか、言葉は通じるのかとか『普通の人なら考えるかもしれない事』を全く考えていなかった。私馬鹿だな……。でもこれからBRFは色々教えてくれて、きっとそれはナオト君の救出にも繋がるのだろう。だからBRFは私たちを呼んだんだ。
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そんなこと考えると、普通なら1年間というリミットに対し焦るなり愕然するなりするはずが、心の場合は『期待』の感情の方が大きく、胸を熱くさせるのだった。




