13.変わらぬ覚悟
「そう、なのか……」
それは茜の言葉だったが、心以外、全員同じ気持ちであった。この地球上の生物とは思えない、見た事もない生物が写っている写真を見せられ、さらにそこに写っている生物が、ビジョンで心が見たアグダラという場所にもいるという。赤いビームの中に、心とは違うビジョンといえど、実際に自分の目で見た以上、疑う余地はなかった。
「話が見えてきたな」
そう言ったのはレナだったが、それは彼女が既に、心からナオトくんが黒い穴に引きずり込まれた時の話を聞いていたからこそ、素直に理解できたのだろう。ゆえにレナは心に、いつか自分に教えてくれたことを、ケイトと茜にも説明するよう促した。そして心から内容を聞いた二人は、レナが2年前に聞いた時と同じ様に現実として受け取ったのだった。
そしてレナの見解はこうだ。モンスターが引きずり込む穴。そこからアグダラという場所に行けて、ナオトくんをこちらの世界に連れ戻し助ける事が出来るのではないか?という、ごく単純な話。
「チャンスがあったら、私はここへ行きたい。」
「そうだよな……」
心の心情を一番知っているレナが応え、また心がいう。
「そのアグダラの地では、女性が剣でその得体のしれないモンスターと戦っていた。つまり危険な場所だ……。命に……関わることかもしれない。アグダラという場所が、どんな所かもよくわからない。行けたとしても……ひょっとしたら帰って来れないのかも知れない。」
「そう、なるよね……」
ケイトが答える。心は続けて話す。
「みんなを巻き込もうとは思っていない。だから、このモンスターか『穴』を見つけた時、私に電話でもして教えて欲しい。すぐその場所へ行って、私一人でアグダラへ行きたい。」
「…………。」
沈黙が続いた。
3人は、それぞれ自分の家族や自分の事を思うと、簡単に行動を共にするとは言えなかった。その先で、何が起こるかわからない。他人がこの4人を見たなら、言ってしまえばケイトと茜の二人は心達とは昨日知り合ったばかりの関係だ。たとえ昨日、いつか素晴らしい思い出となるであろう出来事があったとしても、今はまだ『命を共にする程の関係』ではない。そこまでする理由がない。3人の微妙な気持ちを察したのか、心が続けた。
「わたしはね、4歳の時からそれが原因で自分の信じる道を進むと決めたんだ。その為に喧嘩も負けないように、強くなろうとしてきた。そしてやっと糸口がみえてきた。みんなには悪いけれど、今私は自分の事しか考えていない。ナオトくんに会いたい。だから私が一人で行く。もしそこに居る可能性が少しでもあるなら、行きたい。だから……もし見つけたら、教えて欲しいんだ。」




