表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/34

昼の話

昼になり、それぞれ皆動き出した。グループになる者、外へ出る者、一人で食べる者と様々だ。

俊明は、さすがに疲れたので、誰もいないいつもの場所へ向かう。


「ふぅ。」

俊明は、屋上へ出てハシゴを登り、屋上へ出入りする所の上で一息着いた。誰か来ても気づかれないし、雨の日以外なら平和に過ごせる。

朝、コンビニで買った野菜サラダを出して、ポケットからスマホを取り出し、イヤホンをつけ、音楽を流す。


聴くのは、ウーチューブで人気になったQと呼ばれるアーティストだ。歌唱力もそうだが、Qが書いた歌詞も素晴らしいと評判だ。ただ、女性の声である以外、素顔も年齢も不明であり、そのミステリアスさも人気の要因だと言われている。


教室に戻り自分の席に着き、突っ伏し寝たふりをする。後15分くらいで午後の授業が始まる。授業といっても、オリエンテーションや、役割決め、委員会決めなど勉強らしい勉強はない。とはいえ、初日からフルなのはやはり疲れる。


つんつんと肩を突かれた。俊明が頭を上げて突っつき主を見ると神崎さんがノートを見せてきた。

(お疲れですか?保健室?)

「あ、いや」

「トシ、お疲れだね」

康太が俊明の背中をポンポン叩き、後ろの丸山の席に座った。

「トシは人間嫌いだからね〜。」

「語弊を招くから。新しいクラスで疲れただけだから。慣れたら平気平気。」

(そうですよね。私も同じです。)

「だろう?」

俊明は神崎さんに向けてうんうんと頷いた。

「おっす、探してたんだ。新山」

元気だなぁと思いながら振り返る。

「丸山くん」

「大樹でいいぜ。ほら後でって言ってたからよ」

「あ、あー。言ったかも」

「トシ、適当に流したな」

(言ってましたよ)

二人にそう言われては逃げられないと俊明は諦めた。

「あーすまん」

「明日、一緒にメシ食おうぜ。よかったら菊池もどうだ!?神崎も」

「トシ、たまにはいいじゃないか。神崎さんもいい?」

神崎さんはノートに書いて康太に見せた。

(明日はちょっと)

「あら、残念。トシはいいよな?」

「わかったよ。」

「よろしくな!」

ニカっ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ