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ミーア・シャルルと話し始めて十分後、ようやく上級生が到着した。
「遅れてすまなかったな、2年S、序列26位のトール・ライジンだ。」
「なあんてわかりやすい名前なんだろう。」
「ぬ?何か言ったか?」
「いえ、なにも。」
多分だけど、使う魔法は雷系。武器は槌。筋肉量もきっとすごいのだろう。
「俺の魔法は雷を操る。うむ、お前もそのようだな。」
「え?僕も?」
「ああ、まあ詳しくは明日にわかる。明日、入学式の後に魔力の測定がある。その際に属性がある程度わかるはずだ。」
「どうして先輩はわかったんですか?」
「それは雷系統だからな。雷の魔力は互いに共鳴しあうんだ。実際には増幅、といった方がいいかもしれんな。詳しくは授業でやるはずだからな、楽しみにしておくがよい。」
「さて、これから男子寮に向かうぞ。そこのメイドたちはついてくるのか?」
「「「はい、そのように。」」」
「よし、行くぞ。」
なんだか俺の人権がない気がする。
「じゃあね、ミーアさん、また明日。」
「!!は、はいぃ!!」
なぜか顔を赤くしていた。モテ期だ。
「違います。」
だよなあ。
学園の敷地は広大だが、学校の校舎を挟んで東側に男子寮、西側に女子寮が存在している。男子禁制の女子寮の前には当然のごとく門番、というか王家騎士団予備隊が配備されており、この国にとっての学校の重要度がわかるというもので、しかし一方男子寮には女子が対いることは禁じられておらず、なおかつ門兵もいない。
これはこの国の貴族全体の男子教育理念、
『自己防衛、国なんかあてにしちゃだめ』
を昔に占い師が王国の新聞記者に発表してしまったかららしい。
まあ仕方のないことではある、なぜならこの学校は軍にいずれ配属される者たちを育てるのだから。
え?なんで女子は兵が守ってるのか?
決まっている。
特に理由はない、だ。
そんなこんなで次の日になってほしかったのだが、どうやら作者が寮生活の仲間を紹介したいらしいので紹介する。
そう思っていた時期が俺にもありました。
「「「お帰りなさいませ、ご主人様。」」」
「ここがお前の部屋だ。まあ、なんというか・・・がんばれ。うむ。」
「お気遣いしみいります、ええ。」
相部屋とか期待していたのに、この寮には相部屋は存在しないそうで。
しかも貴族がメイドを連れ込むのもよくあるそうで。
そのくせメイドの分の部屋もあるので、俺のメイドたち(勝ってについてきた3名)がいても平気。え?クロード?君に部屋はありません。廊下で寝ろ。
「おや、私は旦那様のベッドで夜を共にするのですね、感無量でございます。」
「ライジン先輩、クロードの分の部屋はありますか?」
「すごい執事だな。」
クロードの部屋まであったなんて、すごい広いなあ。
「ところで、これからひまだろうか、これから訓練場に行く予定なのだが。」
「行きます、今すぐに。」
クロードたちは俺の荷解きがある。残念だったな。ついてくるな。
「あーあ、旦那様に言いつけてやろ。」
「何をだ。」
「クロード様が私の貞操を身分さを利用してむりやr」
「さあ行くぞクロードぉ!!」
「・・・まあよかろう。」
こんな変なノリに付き合わせてしまい申し訳ございません、ライジン卿。
クロード「ところでまだブックマーク登録をなされていない方はお急ぎください。その際、感想や誤字脱字のご指摘、ご感想、ポイントなどを賜りくださると光栄でございます。作者がより私に発言権をくださいますので。」