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我儘 

作者: 矢木

嫌なことがあった夜は、先をわっかにしたロープの前で立ち尽くす


まるで三文芝居の筋書きみたいに、毎回毎回怖くなって泣いて泣いて、諦めるんだ


涙が出るのは怖いからじゃない


悔しくて情けなくて、どうにもならないから


こんな肥溜めみたいな人生にも、明日こそは、明日こそは、なんて


ありもしない希望の蜃気楼を掴む自分が馬鹿みたいだ



たとえば、目が見えなければよかった


たとえば、耳が聞こえなければよかった


たとえば、味も匂いもわからなければよかった


たとえば、全身の神経が無ければよかった



中途半端に美しい光があるなんて知らなければ、


心をくすぐる旋律があるなんて気づかなければ、


体が跳ねるほど美味しいものがあるなんてわからなければ、


大切なひとの体温が温かいなんて感じなければ、


死ぬのがこんなに怖いなんて思わずにすんだのに




世の中のお偉いさんたちは


難しい政治や数式はわかるのに


届かない希望なんて、ただの苦痛でしかないのだと


そんなに簡単なことが、どうしてわからない?


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― 新着の感想 ―
[良い点] おお……すごい詩やなぁ。 たしかにいまここにいるそれだけで幸せやな。うん。
2017/11/06 20:41 退会済み
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