誰にも言えない過去
今回花嫁候補となったのは、
今食事を共にしているミシャイン。彼女は強気な性格で誰よりも積極的にクラウドと交流を深めている。
そしてラーズ、彼女は真面目で貴族の娘だ。どんな時でも緻密な計算をしてクラウドに気に入られようとしている。
さらにパトリシア、パトリシアはいわゆるぶりっ子だ、甘い声でいつもクラウドを誘惑している。
そしてアリール。一番注目されているがなかなかクラウドに接触はしない。というかしてしまってはメイドの仕事がおろそかになり、感づかれてしまうのでやっかいだ。
「クラウド王子はりんごはお好き?」
ミシャインは事前に調べてさせているくせに聞く
「うん!大好きだよ」
クラウは満面の笑みで答え、りんごのワインを口に運ぼうとした。
ふとミリアはクラウドが飲もうとしているワインに目が行った。
思うより早くミリアはそのワインを奪い口を付けた。その瞬間ミリアは咳き込み、大量の血を吐いた。毒を盛られていたのだ。
暗闇の中、お母さんが現れる…
まただ、とミリアは呟く。
お母さんが化粧をしている。
「今日は特別な日なの」
満面の笑みで
そして部屋を後にし、少しして帰ってくる。
「会えなかった」
少し悲しそうな目をしていてもお母さんは笑顔だ。
私に気を使わないで…
そう言ってあげてば、お母さんは声を上げて泣けたかもしれない。
でもそんな言葉は言えなかった。
お母さんは遂に寝込んだ。
アリア、ミリア…とお母さんに呼ばれる。
アリアはいない。
ミリアは返事をして、お母さんのところに行く。
「貴女たちが生まれてきてくれて良かった。こんな子供達が生まれるくらいだもの。私はお父さんを信じるわ」
まるで最期のような言葉聞きたくなかった。お母さんが目を閉じるのを見たくない。泣き虫のミリアは泣き叫んだ。夜になり朝がきてまた夜になり…ミリアの涙はかれた。
お母さんの葬式泣かないミリアを皆がみてる。
親不孝な子供ね。
そんな声まで聞こえる。
ミリアは誓う。お母さんの為に私は泣かない。もう信じない。
アリアは悲しい時は大声で泣く。
まるで私の分まで背負っているかのように…
そんなアリアを私は絶対に守り切る。死んでも守るとお母さんの代わりに誓った。