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舞踏会

ミリアは昨晩の出来事をアリアに話した。アリアは涙した。彼女の美しい涙を見ていると不意に母を思い出す時がある。ミリアは言おうした。私…

「私、クラウド王子と結婚する」

しかし言おうとした台詞はアリアが言った。

「ミリアの身体を助け出したら正式に結婚するわ。嘘なんかじゃない。信じてアリア私はクラウド王子を裏切ってまた信じる気持ちを忘れて欲しくないの!」

ミリアは何故か胸が熱くなった。

アリアの気持ちが痛いほど分かる。決してクラウが悪い人だとも思わない。もしかしたらいい選択なのかもしれない。

(きっとクラウもアリアも幸せになれるわ。)


アリアはサラを呼び先ほどミリアと決断した事の相談をした。

「もう少しお考えになったほうがいいんじゃないですか?」

サラは賛成しているようには思えなかった。

「サラ!お願いよ…分かって」

アリアは分かってくれないサラに対してもどかしさを感じた。

「私は、アリア様とミリア様の幸せを確実にする義務があります。」

サラは厳しい口調でそう言った。

アリアもミリアもサラだけには頭が上がらない時がある。まるで母親と話しているような気持ちにさせる時があるからだ。

「私はアリア様のお母さんのお世話もさせて頂いておりました。」

そうなのだ。サラはアリアが小さい時から母に付き添っていた。

「だから…」

サラは何か言いかけて口を開いたが言葉は言わなかった。

「もう少しお考えください」

サラはもう一度同じ台詞を言い部屋を出て行ってしまった。


アリアは支度をし、また花に水をやるため庭に出た。流石に何もしていないと、また病気なのかなど変な噂がたってしまうからだ。

花に水をやっているとミシエルが少し足早にアリアに近づいてきた。

「アリール様」

周りに聞かれても言いようにあえて偽名でミシエルはアリアを呼んだ。

「何かしら?」

「何かしら…ってアリール様知らないんですか!?今夜は舞踏会ですよ」

「あ!そうじゃない!舞踏会ってもしかしてその後妃が決まるのよね!?」

そうなのだ。今夜の舞踏会で全てが決まってしまうのだ。

「ミシエル…助かったわ。急いで準備してくるわ」

ミシエルはため息をはきながらもアリアの持っていたジョウロを片付けますともっていってくれた。


戻るともうメイド達がドレスを用意して待っていてくれていた。


ミシエルも舞踏会ようの服に着替え先に会場に着き、アリアを待っていた。

集まった貴族の女性達はあのかっこいい人はだれかしら?とあえて聞こえるようにミシエルの周りに群がっていた。アリアはまた何か手こずっているのかと部屋に迎えに行こうと扉を開いた瞬間だった。目の前にドレスを着たアリアの姿を目にした。あまりのアリアの美しさにミシエルは何も言えなかった。


扉を開くとそこにはいつもの服とは違い何処かの王子様のような格好をしたミシエルが立っていた。アリアが驚いているのと同じように驚いているようだったしかし、少しすると行きますよと言いながら手を差し伸べてきた。

アリアはその手の上に自分の手を重ねる。舞踏会という大事な時でとても緊張していた。しかし、ミシエルの手からいつもの温かさが伝わり少し安心して息を飲む。

ふと周りを見渡すと多くの女性が羨ましそうにアリアを見ている。ああ…やっぱりミシエル目立ってるわね。そんな事を思いながらミシエルを見ているとふとミシエルと目があった。

「アリア様…俺に惚れましたか?」

とミシエルは小声でとんでもない事をいいだす。

「な、なにを変な冗談を!ここにいる女性は貴方がそんな性格だと知ったら一気に幻滅するでしょうね」

アリアは少し顔そういいミシエルを見ないように周りを見渡した。

「そうでしょうか。じゃあアリア様も幻滅しているって事ですか」

とミシエルはアリアをからかい出した。

「幻滅…そんなのもーとっくに通り越して違う意味で惚れてるわよ!」

「そんな大きい声で告白してはいけませんよ」

ふと周りをもう一度見渡すと惚れてる?と首を傾げた貴族達の姿が見えた。

「貴方のせいで変な人に思われちゃったじゃない」

アリアは小さい声でミシエルに怒る。しかしミシエルは笑っているた。そしてミシエルがシーっと子どもをなだめるようにする。すると扉が開きクラウドが入ってきた。クラウドが入り終わると同時に曲がはじまった。急に緊張が高まり顔が強張る。

「どうしよう…私上手く…」

その言葉はミシエルの手によって口を塞がれた。そのまま急に顔が近づいてきた。

「アリア、今日の君は他の誰よりも美しい。俺が言うんだ、惚れない男はいない。安心しろ。」

いきなりの出来事になにをしたらいいのかわからなくなりミシエルを見る。

「だから早くいって来い…」

ミシエルは少し照れくさそうにアリアの肩をつかみクラウドの方に向けた。

「ご無礼お許しください」

後ろの方からミシエルの声が聞こえた。

なにこれ…もっと緊張するじゃないの…アリアはそう思いながらクラウドのほうに向った。

「あぁ!アリール姫りんごでも食べた?顔が真っ赤だよ」

クラウはアリアを見るなりなしかけてきた。

ほらやっぱミシエルのせいで…

「そうなの、いっぱい食べてしまって」

とアリアは顔を冷やそうと手をあてた。とその手をクラウドつがつつんだ。

「今日はとっても可愛いよ」

少し切なそうにも見えるクラウドにアリアはなんと言ったらいいのかも分からずただありがとうございます。とお礼をいう事しか出来なかった。







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