第1話 覆面男
四月。僕はこの第一無名高校に入学した。
この高校。勉強が嫌いな僕にはとても居易い場所だ。
そしてこの高校の卒業の全員がプロ選手やスポーツ関係に就職している。(一部例外があるが)
「古暮!?古暮だよな?」
校門の前で突っ立ている僕の後ろから声がし、肩に手を乗せてくる者がいた。
「いかにも私は古暮公義だが、御主は誰でおじゃる?」
「なんだよそのしゃべり方。あほ?俺が初対面の人だったらどうしたわけ?」
僕に話しかけてきたのは中学時代の無二の親友。若竹芳丸だった。
「よう!若竹!クラス見に行かない?」
「ああ、そうだな。同じクラスだといいな。」
僕達はクラスが表示されている紙を見に行くが、残念なことに僕は1組。彼は2組でした。
「ああ、残念だったな。」
「ま、学校は一緒ジャン!」
しかし、この言葉が高校で最初で最後になる言葉だった。
「君!古暮君だね?1組の。」
声をかけてきたのは先生?だと思うが、何故か覆面をしている。
「横の君は何組だい?」
「2組です……ごふっ!」
その覆面男は若竹のみぞを急に殴った。
その凄ましい拳はあたった瞬間にサッカーボールを蹴ったような音がした。
「古暮君?僕のクラスは他のクラスものと話すのが禁止なんだ。理解してくれよな?」
僕は恐怖におびえ、腰が抜けた。
(何故、若竹を殴った?クラスが違う?それだけで。クラスマッチばっかりやるこの高校。楽だと思ったけど逆かもしれない。)
この覆面男は僕の担任だった。
「さぁ、早く自分のクラスに行きなさい。詳しいことは1時間目に話すからね?」
僕は若竹にすまないと思いながらも震えている足で教室へ向かった。
教室に入ると僕はギョッとした。
高校生とは思えない体つきの奴や、中学生の部活で活躍したと聞く人ばかりだった。
しばらくするとあの覆面担任が入ってきた。
「はい。今年のクラスマッチを制するには十分な人達ですね。僕の名前はあえて言わないでおこう。この学校では先生と呼ぶべき人間は僕と、校長と教頭。だけですから先生=僕ということで。」
(本当にここは授業をほとんどしないでクラスマッチの練習なのかな?)
「えー、今からクラスマッチの長い説明があるからね良く聞くこと。」
「いいか?ではまず古暮君!」
「は、はい!」
先生に呼ばれつい大声が出てしまった。
「この体育系のムキムキ君やスポーツ万能君の天才の中に、何故君のようなガリ勉系が5人いるのはわかるかな?解らないよね?今年のクラスマッチはねぇ…スポーツだけじゃないんだよ。クラスマッチの部門の中に頭を使うクラスマッチが出てきたんだよ。たとえば四月に早速百人一首があるようにね?クラスの編成的にこのクラスは最低の5人ぎりぎりだから、がり勉君のクラスマッチはいつも確実に参加だから。まぁほかのもあるけど。まぁ5人はがんばれよ。ウチはスポーツ系にかけてるから。うん。まぁこれからの授業のことはその度々に言うから!以上!」
長い説明が終わったあと、一瞬で帰っていった覆面。
てユーか長いか?
まぁでも僕の学校生活どうなんの?