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本編

このお話は前に書いた「ファンタジック☆GOコン」と同じ世界観です。

そっちを読まなくてもこのお話は読めます。

「好きだ、付き合ってくれ」


そう私に告白してきたのは、今うちの冒険者ギルドで最近特に活躍していて、

人気上昇中の神聖魔法士の「アロン」だった。


外見特徴は、後ろでゆるく三つ編みにしている空色の長い髪、瞳はサファイヤ

のような神秘的な濃い青。

背は高くひょろっとした体格をして、一見優男に見えるが、彼は杖術も習得し

ていて接近戦にも強く体力もある。


世間一般では、『その声は小鳥でさえ聞き惚れ~』とか『その美麗な顔は薔薇

でさえ嫉妬する~』とか『彼を見たものはみな魅了される~』とかとかとか

実際にはあり得ないようなすごいことを言われていて、


ギルドの女性陣からは『青薔薇の君』と呼ばれて崇拝されている。

貴重性の高いと言う意味と、人々を魅了する、青薔薇の花言葉である

「神の祝福」「奇跡」という言葉を考えると、そのネーミングセンス

は言い得て妙だと私は思っている。


ちなみに私はギルドの女性陣から『黒薔薇の君』と言われて慕われているが・・・

正直柄じゃないのでやめて欲しい。

黒薔薇の花言葉にはあんまいい意味無いしね・・・。


話がそれたけど・・・そう、彼は美形なのである!


大事なことなのでもう一度言うが、彼は誰がどう見てもどこから見ても美形なのである!


そんな彼が女として魅力のない私に告白するはずがない!!!



「アロンさん、またまたぁ~冗談ですよね?」

「冗談じゃない」

「・・・本気!?・・・とみせかけてやっぱり冗談ですよね?」

「違う」


彼は冗談じゃないと言い張っているが・・・絶対何か裏があるはずだ!じゃなきゃ

アロンさんともあろうものが私などに告白するはずがない!

からかって楽しんでいるとか!ドッキリ☆とかとかとか・・・考え出したらきりがないな・・・。


あ、ちなみに私は、彼が加入している冒険者ギルドの受付係・・・・

ではなく、冒険者ギルド内で受付係やか弱い女性冒険者などを守る用心棒みたいな

仕事をやっている。

冒険者って礼儀正しい人も多いけど、礼儀のなっていないあらくれもの達も多い。

そんな人達の起こす問題を仲介したり解決したり・・・問答無用ではっ倒したり・・・

力業でねじ伏せたり・・・けっちょんけちょんにしてやるのがわたしの仕事で、


自他共に認めている、わたしは強い。

黒薔薇の女剣士『ギルドに咲く一輪の華』と言えば・・・

そうそれは私こと、『ティムティル』である。


そんな仕事をしているせいか、外見は女に見えない。

健康的に日焼けした黒い肌。動きやすさを重視したベリーショートの黒髪に、

人睨みすれば相手を恐怖にさせる金色の目。

背も女性にしてはかなり高く・・・性格もどちらかと言えば男らしい。


なので男からは、

お前と話していると男と話しているようだと言われ・・・

女性からはティムティル様が男性だったら私絶対告白してますぅ~といわれる始末。


あ・・・なんか悲しくなってきた。

でもここでぐだぐだ考えててもしょうがないし・・・ここは開き直ろう!



「じゃぁ、私のどこが好きか、言ってみなさいよ!?」

ふふふ、冗談で告白してきたやつにはこの質問は答えられまい!

もし無難な回答をしてきたら、それに難癖つけて告白ごと断ってしまおう。


彼に冗談でも告白されだってたけでも、彼のファンクラブの子達の報復が

恐いのに・・・それ以上に一方的に告白を断ったなんって知れたら更に恐い

からね・・・ほんと女、いや女の集団って恐いよ。私も女だけどね・・・。

それならまだ『魔王』倒してこい!とか言われた方がまだましである。

・・・・・・この世界に魔王なってものはいないけどね・・・・。


彼は少し考えるようなしぐさをしてから・・・こう言った。

「まずは・・・」

ま、まずは???

「お前の健康的な日焼けした肌にさっぱりとした黒髪は俺の好みだ。それから・・・」

それから???

「お前の蛇みたいな金色の目に睨まれるとぞくぞくするし・・・」

おい、今この人変なこと言ったぞ!

「背も高くて俺と並んでも見劣りしないし、類を見ない強さもほれぼれする・・・・それと・・・」

まだあるのか?!!

「他の女みたいななよなよした性格じゃないのもいいし、たまに見せる乙女っぽいところも・・・」

「あぁぁ!!わかりました、あなたが私を好きなのは分かったのでそれ以上はやめて!!」

まだしゃべり足り無なそうにしている彼を強制的に止めさせる。

この人無口な人かと思ってたけど・・・以外にしゃべる人だったのか!?

それにしても、冗談で告白してきたわりにはよく口が回ることで・・・ある意味感心するよ。


「好きなのは分かりましたが、私はあなたのこと好きじゃないのでお付き合いできません!」

はっきりとそう言って彼のほうを見ると・・・そこにいたのは・・・

飼い主に捨てられた子犬だった。


きゅん☆


見える!

垂れた犬耳に、だら~んと垂れた尻尾が!!

いやいや彼は人間だから実際に犬耳と尻尾が見えるわけではないけど、

雰囲気がそんな感じなんだよ!

決して私が変な人とかじゃないからね?!


更に彼を観察していると・・・

目はちょっと潤んでうるうるしていて今にも『くぅぅぅ~』とか泣きそうである。



きゅきゅん☆


は!まさかこの胸のときめき・・・これが『恋』?!!


普段無表情で鉄仮面とか言われてるやつが、泣きそうな顔だと?!

何それ?!萌える!!


普段無口でしゃべっても必要最低限のやつが『くうぅぅ~』と泣くだと?!

(注※実際には泣いてません)

何それ?!私の母性本能をくすぐってるの?!!


美形ってだけでも特徴ありまくりなやつなのに、それに加えて無口無表情のクールなやつで

それだけでも十分おいしいのに、更に、ギャップ萌えに、犬属性だと?!!

私を萌え殺す気か?!!

これで犬は犬でも『忠犬』ならもろ私の好みだ!


「ちょっとアロンさん、ここ来てしゃがんで」

突然の私の要求に彼は特に疑問も持たずに実行する。

これだけでも私の彼に対する好感度は鰻登りだよ!!


そして私はアロンさんの頭をなでなでしてあげる。

あ~見えるよ!見える!

尻尾をぶんぶんと振り回している彼の姿が!!

(注※実際には尻尾はありません)

そして、こぼれ落ちたような笑顔!

これを見た瞬間私の心は決まった。


「私のこと好き?」

「ああ」

「付き合いたい?」

「ああ」

「後から無かったことにして欲しいとか言わない?」

「言わない」

「じゃぁ、黒薔薇の花言葉って知ってる?」

「????」

「束縛・・・そして、『あなたは私のもの』よ」

まだ意味がよく分かっていない彼に私は胸ぐらをつかんでキスをした。


私の通り名は『黒薔薇』

その花の言葉通り、あなたを束縛して、あなたを私のものにしてあ・げ・る♪




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