前進と書いて後退とよむ
おれは無事ランクアップし、魔獣からショタになったのだった。ここまでは成功したエリートそう、エリートショタと名乗っても問題ないだろう。
だが…デメリットその1 頭脳までショタになってしまった。あれ・・・。これまた失敗じゃね? ここで既に違和感があった。こんなときにはまた悪いことが起きるのだ。
深夜宿を抜け出し、おれは夜道を魔獣の姿で駆けていた。月明かりの下小石を蹴飛ばしながら。いやあ夜は冷えるね。そしてなんか小石でっかくね!?
数キロ走っておれは流石に現実を認めざるをえなかった。あれ!? この景色はこの既視感は・・・。おれはどうやらあの懐かしき檻の中に飼われていた子猫のサイズになっていた。
まだニャントレが足りないうちに獣人化してしまった弊害だろうか。ぼくのなにが悪かったって言うんだ!
終わってる!終わってるよおおおお涙
だってさ、ぼくの努力が否定された気がしたんだもの。
ガサガサっと足音が聞こえ、背中に冷たい汗が走った。この気配は良く本当によく知っている。
『…また置いていかれた........。わたし、捨てられるの…....かな…....。そう思って、すごく寂しかったんです。でも大丈夫…....もう、絶対離れられないように........しますね…....ね?』
彼女は困ったような表情で月明かりの下おれを見下ろしていた。その手にナイフを持ってなければ、おれは迎えに来てくれてほっとしていただろう。
ああ。なげかわ。おれの異世界生活は不自由になりそうである。
こうして魔獣(食用)のおれはまたご主人様に捕らえられたのであった。
☆☆☆☆☆☆☆
さあみんなが羨む新世界へ。異世界ってそんなところだとおれは思ってたんですけどね。どうやら不自由な転生者がいるらしい。
しかも目標を達成するまでなかなかな労力…そしてみごと獣人化を成し遂げたとしてもリセットされる魔獣の強さ!
これがゲームなら誰もが投げ出していたであろう。だがこの世界はおれにとって現実で逃げ出すわけにはいかない。
というわけでまたニャんトレ生活が待っているのであった。
おれ的にはなにか目標がなくては頑張る気になれない。よし頑張って屋根の下暖炉の火にあたりながらメイドになでて貰って優雅にニャン生を過ごすのだ。
しかしなあ成人男性(中身)がそれだとなんか恥ずかしいからショタ生の恩恵を得て今するべきなんだが・・・。
家も暖炉もないんだよなあ。ニャントレしながらお金を稼がねばならない2重生活からまだ抜け出せないようである。
読んでくれてありがとう♪更新遅くなってました すみません