みんなで作業着
今日は魔王城の工事日、私勅使河原舞子のモノローグにてお伝え致します。
本日の工事は魔王城の屋根にソーラーパネルを設置、そしてビル屋上型の携帯電波用の基地局を設置します。
安全を考慮して、スマホからのネット接続は制限をかける予定です。要するに電話とメールの送受信しか出来ない仕様です。
なにせ、相手は魔王ですからね。なにするかわかったもんじゃありません。
ソーラー発電は、ロキ様の意向で化石燃料の持ち込みは禁止となっている為です。
化石燃料は文明の崩壊を加速させるから、だそうです。
あちらの世界は剣と魔法の世界、排ガスで汚れるのは私も反対です。
資材は予め魔法陣経由でロキ邸格納庫に搬入済みです。
後は魔王城に組み立てた資材を同じく魔法陣経由で搬入し設置、と言う流れとなります。
魔族の巣窟ですから、出来る限り滞在時間を少なくする計画です。
設置はオヤマダ社長自ら行うそうです。日本を代表する大社長なのに屋根に登って作業するなんて、大丈夫なんでしょうか?まぁ、だれでも連れて来れるわけじゃないので仕方ないですけど……。
「じゃあ、行こうか勅使河原君、先ずは格納庫だ」
「あの、社長?本当に私もこのオヤマダ建設の作業着で行くんですか?」
「スーツなんかで行ったら汚れるでしょー?会社創業当時はねぇ……」
「あ、もう大丈夫です。行きましょう」
ロキ邸の格納庫です!やっと戻ってきました、ファンタジーの最前線!リアルファンタジー!
「きゃー!黒龍様ー!おはよーございまーす!」
お?黒龍様、鼻息が出ない。代わりに小さく咆哮して挨拶してくれました!
「勅使河原君、やるじゃないか。2回目にして黒龍様に挨拶してもらえるとは……私は3回くらいかかったぞ?」
言いながら社長は黒龍様に近づいて、鼻息で飛ばされました。
「オヤマダ社長、舞子さん、おはようございます。今日も面白いですねー」
麗しのアイーシャ様の登場!
「いてて、腰打った……これはこれは、アイーシャ様。おはようございますぅ!本日もお美しい!はい、これ」
「大丈夫ですか?オヤマダ社長。ん?これ何ですか?」
「それはオヤマダ建設の作業着ですー」
「え?今日、私は護衛で帯同のはずですけど?」
「勿論、そうなんですけど、その美しい衣装を汚すわけにいかないのでー、はい」
作業着のアイーシャ様、それもまたオツ……。
「ははは、いいじゃん、アイちゃん。作業着も似合うぞきっと」
ロキ様も登場!ちょっと眠そうだけどやっぱりイケメンだわぁ。何だろう、この空間……帰りたくない。
「ロキ様、おはようございますぅー!はい、これ」
「は?なんで俺に作業着渡すの?おかしくない?俺は今日オフだよ?挨拶だけして速攻ベッドに戻るつもりなんだけど!」
「あー、そうだったんですかぁ……。しかしですね、魔王城での作業となりますので、念の為、ロキ様にもご同行頂いた方が宜しいのではないかと」
「えーー……なら最初からそう言ってくれよぉ、休みの日に急遽仕事になるの一番やな奴じゃん!仕事だと思って焦って起きたら休みだったの逆のやつじゃん!」
ロキ様、なんか普通のサラリーマンみたいな事言うな……。
「ロキ様、私は舞子さんと更衣室で着替えてくるので、諦めてその辺で着替えて下さいね」
その辺ってアイーシャ様。
「ちっ、オヤマダぁ。貸しだからな」
ロキ様、我儘そうで意外と良い人。
「はいー、帳簿に付けておきますぅ」
社長、軽いな……。こんな感じなんだ。
「さぁ、舞子さん。案内しますから一緒に更衣室で着替えましょ」
お着替えイベントキタコレー!




