船上の決闘は日常
「タンガいるかー?」
ロキとアイーシャは旗艦マタ・ウエンガに転移した。
「お頭は昼寝中だ!」
全身刺青、長髪を無造作に纏め、サーベルの柄に顎を乗せた戦士が荒々しく答えた。
「あっそ、じゃあ起こしてきて」
ロキはそっけなく頼んだ。
「あーん、起こすわけねぇだろ!お前が遅いのが悪いんだから待ってろや」
「あ?なんだお前、ムカつく奴だな?俺はお前らが待ってると思って朝早くから女王や大臣らと面倒な会談終えて真っ先に来てやってんだ、ガタガタ抜かしやがると海賊の丸焼きにして黒龍の餌にすんぞ」
朝からの忙しさにイライラしていたロキはウザ絡みされてキレた。
「落ちついて下さい。あの様な男にロキ様がキレるまでもありません。ここは私に任せて下さい」
「ぐぬぅ……」
「なんだ?耳長!やんのかこら!」
「黙れ、三下!やってやるから構えろ」
「よーし、昨日からてめえらにはカチンときてんだ」
騒ぎを聞いてわらわらと戦士が集まってきた。
「テオ!その耳長強いぞー、油断して死ぬなよー!」
「上手いことその服切り刻んでくれよー!」
テオと呼ばれた戦士はサーベルを構えて言い放つ。
「女!この船の上じゃ決闘は日常茶飯事だ。どちらが死んでも恨みっこ無しだぞ!」
「ロキ様、やったります!」
「アイちゃん……やったんさい!」
「おうりゃ!」
テオの鋭い打突がアイーシャを襲う。
「斬!」
アイーシャの居合がテオのサーベルを両断する。
そして、返す刀でテオの首を刎ねた。
テオの首は回転しながらロキに向かって飛んでくる。
「稲妻シュートォォ!!」
ロキは首を蹴り上げた!
それは、騒ぎに目を覚まし現れたタンガ・ロウの元に飛んでいく。
「モンスターキャーッチ!!」
タンガは見事にテオの首をキャッチした。
「やるな、タンガ」
ロキは親指を立て、サムズアップした。
「なんだ、こりゃ。あーーテオじゃねぇか」
と言って海に投げ捨てた。
「海の親父さま(サメ)が片付けてくれる。その身体も海に放り込んでおけ」
タンガは何事もなかった様に部下に指示した。
「ロキ殿悪い、寝ておったわ」
「あぁ、さっきズールの女王と国防大臣と会談が終わってな。俺の麾下として港への入港と宿舎を用意する事になった」
「それは有難い。では、早速入港させてもらおうか」
「タンガ、陸に上がっても国の奴らと揉め事起こさないでくれよ?さっきの奴みたいな荒くれ者ばかりだからな」
「わかったわかった。俺がちゃんと言い聞かせる。それとなぁ、ロキ殿。」
「わかってるよ、風呂だろ?一気には無理だから分けて入りにくればいい。何人いるんだ?」
「300人くらいか?数えてないからわからん」
「えぇ……荒くれがそんなに風呂入りに来るの凄い嫌……」
「私も、ものすごーーく嫌です、ロキ様」




