ロリ様
ダイニングで昼食の準備を終えたアイーシャはロキと女王が来るのを待った。
やがて……現れたロキと女王は手を繋いでいた。
ロキはアイーシャに手を顔の前で振っている。
違う違う、とでも言いたげであった。
アイーシャは怒った顔をしたが、実を言うとそこまで心から怒っているわけではない。ロキが女性全般に甘いのを知っているからだ。それに、とても奥手な事も。
アイーシャはロキに近づいて言った。
「ロリ様……あ、すいません間違えました。ロキ様、昼食の用意が出来ました。料亭小山田の鰻重ですよ」
「お?おーやったなジル!鰻重は美味いぞー?ほら、座った座った!」
アイーシャはそれを見ながら……
(そう言えば前にもロリ呼びした事あったな……)
あれは、里を出て、オヤマダ社長と会ってから間もない頃……。
ある村を見つけ、宿を探そうと近づくと12、3歳の可愛らしい少女が走って来た。
「すいません!冒険者の方ですか?助けて欲しいんです!」
「冒険者って訳じゃ無いけど、どうしたの?お嬢ちゃん」
「ま、魔族が村を襲っているんです!このままじゃ村の人が全員死んじゃう!」
「そりゃ大変だ。アイーシャ、別の村にしよう」
「ロキ殿、見捨てるのですか?」
「冗談だよ、冗談。さっさと片付けて、一休みさせてもらおう」
すると、少女がロキの背中に抱きついてきた。
「お、おい重いだろ、いや重くはないけど。危ないから離れて待ってなよ、お嬢ちゃん」
「一人で待つのは怖いです……」
「仕方ないなぁ……」
ロキはそのまま少女をおんぶする形で村へと入って行く。
村では小型のガーゴイルが彼方此方で村人を襲っていた。
ロキは片手で村に結界を張った。
その瞬間、ガーゴイル共は動きを止めて地に落ちた。
「はい、どうも旅の者でーす。魔族は結界で動き止めたんで、広場に集めてくださいね、焼却しまーす」
村人にガーゴイルを広場に集めさせたロキはその数十匹の塊に呪文を唱えた。
すると、黒い禍々しい炎の様なものがそれを覆い、消滅させた。
ロキは結界を解いて、おんぶしている少女に言った。
「さぁ、お嬢ちゃん。もう大丈夫だよ?お父さんお母さんのところに……って重っ!」
「ロキ殿、後ろ少女じゃないです」
ロキがおぶった少女は翼が生えた魔族の女に変わっていた。
「道理で背中の感触が肉肉しいと思った」
「騙されたね、色男」
魔族の女は耳まで裂けさせた大口を広げロキの頭からかぶりついた!
ロキは後ろを振り返ってくぐもった声で聞いた。
「アイーシャ、俺どうなってる?」
「喰われてますね……」
「まったく、汚ねぇ女だな」
ロキは髪を掴んで引き剥がすと魔族の女は前歯を全て折っていた。
「あがが……歯が、歯が」
「お前、子供の頃何でも口に入れてはいけません!って言われなかったか?」
魔族の女は口からダラダラと血を流しながら立ちあがろうとした。
「どうした?口開けて歯見せてみろ」
ロキは女の口を開け、そのまま顎を外し、その顔面に思い切り拳を叩き込んで息の根を止めた。
「ロリ殿……あ、ロキ殿大丈夫ですか?」
「ちょっ何、ロリ殿って」
「ごめんなさい、さっき少女をおぶってる姿を後ろから見てこの人ロリコンなのかな?って……」
「んなわけあるか!」
「おーいアイちゃん、どーした?食べようよー?」
「あ、すいません。ロキ様のロリコンエピソードを思い出していたもので」
ロキは思い当たる節が多過ぎて、どの事か敢えて触れない事にしたのであった。




