アイーシャはAI棒読みが得意
シアター鑑賞を終えたアイーシャは勅使河原舞子にメッセージを送った。
『舞子さん、先程はお疲れ様です。シアター鑑賞が終わったのですが、ランチの準備はどうでしょう?』
『アイーシャ様♡ご注文通り、料亭小山田が絶品の鰻重を人数分用意していますよ!すぐにでも転移出来ます。』
『ありがとうございます舞子さん。ではダイニング用の魔法陣に送って下さい。こちらで受け取ります。』
「さぁ、みなさん昼食の用意が出来ていますのでダイニングの方へ」
「ゴルゴリー、昼食の後、和平の話をするから着替えて来て良いぞ?その格好だと真面目に話出来んからな。それと国防大臣もついでに呼んでくれ」
「うむ、では行ってくる」
ゴルゴリーは着替えにロキ邸を出て行った。
「ジル、ゴルゴリーの居ない内に話しておくが、先程の映像の最初に見た海賊船だが、15隻程俺の麾下に加えている」
「なんと、あの荒くれ者の海賊を!?」
「あぁ、頭のタンガ・ロウも生きてる。今はそこの崖下に停泊させている」
「アイツら一族は長年我が国の貿易の障害となっている因縁があるから大臣や軍部が黙っていないのだ」
「そう、普通なら恨みがあるから処刑ものだ。しかし、ズールに比べあの戦列艦の技術は高い。仲間に出来れば海上貿易は安定する。一時の感情で失うのは馬鹿らしい事だ」
「妾はどうすれば良いのだ」
「君は女王だ。鶴の一声で許してやれば良い。そしてやつらに住む所と仕事を与えて欲しいのだ」
「相わかった、ロキがそう言うならそうしよう。お前はこの国や私の恩人なのだ……だから……ロキィ、昔みたいにぎゅーってして欲しいのだぁ」
ロキはアイーシャにゆっくりと視線を合わせた。
(これは……完全に目が座ってる。駄目だ……)
「ジル、良く聞け。お前はもう女王だ。それに17歳はもう大人だろう?ぎゅーは子供にするものなんだ、我慢しろ」
「嫌なのだ!ぎゅーってしくれないなら海賊は処刑なのだぁ」
ジルは地団駄を踏んでここぞとばかりに我儘を言った。
「……し、仕方ないやつだ。タンガ達のためだからな、わかってる?アイツらの為だぞ?」
ロキは女王ジルを抱きしめた。肩越しにアイーシャが立っている……。その姿はまさに闘気を纏った鬼神の様にロキには見えた。
「さてとちゅうしょくのよういしなくちゃ」
(AI棒読みだ……。アイちゃん得意のAI棒読みだ……)
「ジル、もう良いだろ?そろそろ……」
「まだ駄目なのだ!父が亡くなって無理やり女王になって心細いのにロキは全然姿も見せなかったのだ!この薄情ものー」
アイーシャを恐る恐る見るとダイニングに去りながら、ボディブローを入れる素振りをしていた。




