おもしれー女、勅使河原舞子
朝食を食べ終えた二人は格納庫に向かった。
「美味すぎてご飯三杯も食べっちゃったよ」
ロキは腹を叩いてポンポンと鳴らした。
「もう、はしたないですよ?ロキ様」
「ヨォ〜」ポンッ
「ヨォ〜」ポンッ
「腹鼓で敦盛やらなくていいです。さっさと格納庫行きますよ。オヤマダ社長待たせてるんだから」
格納庫に繋がる階段を降りた二人はオヤマダと、その向こうで黒龍と戯れる?女性を認めた。
「おはようごさいまーす!ロキ様。アイーシャ様は今日も溜息が出る美しさですなぁ」
「ちょっと、オヤマダ。あの黒龍に近寄っては鼻息で飛ばされて転がってる女性はあれか?そっちの世界で言う「おもしれー女」ってやつか?」
「ええ、ええ、そうなんです、あれがおもしれー女こと、秘書の勅使河原舞子です!おーい、勅使河原君」
「はい、今参ります」
勅使河原は身だしなみを整えて、クールを装ってカツカツとヒールを鳴らして近づいてきた。
「ロキ様、アイーシャ様、初めまして。わたくし、小山田の秘書を務める、勅使河原舞子と申します」
名刺を差し出して冷静に挨拶する勅使河原だが、アイーシャは先程の鼻息で飛ばされていた姿とのギャップに耐えきれずに吹き出してしまった。
「うふふ、舞子さん面白い人ですね。私はアイーシャです、どうぞよろしく」
「はい……よろしくお願いします……グスッ」
「あれ舞子さん、泣いちゃった」
「すいません……わたし、コスプレでエルフもやるんですが……本物のエルフの美女にお会い出来て、私……感無量ですぅ」
「俺はロキだ、よろしくな」
「ロキ様は遠目で格好良すぎて、ちょっとまだ直視出来てないですけど……宜しくお願いします」
「凄い褒めてくれるな、俺は勅使河原さんもおもしろ美しいと思うよ……痛っ」
アイーシャから肘鉄を食らった。
「勅使河原君、興奮冷めやらないだろうが、ロキ様も忙しい身だ、仕事に入ろう」
「はい、失礼しました。まず、魔王城の工事の日程から……」
ロキは魔王城のレイスと連絡を取りながら日程を三日後に決めた。
オヤマダは勅使河原に尋ねる。
「ところで勅使河原くん、黒龍様とは挨拶出来たのかね?」
「それが近付こうにも鼻息で飛ばされて……」
「まぁ初めてなら仕方ない。僕が紹介するから一緒に来なさい」
ロキはアイーシャに耳打ちする。
「アイちゃん、あれ絶対フリだから」
「ですね、絶対面白いやつです」
オヤマダと勅使河原は二人で黒龍に近づく。
そして、予想通り二人まとめて鼻息で飛ばされた。
ロキとアイーシャは爆笑しながら、ハイタッチした。




