日本の朝食に釣られて起きる男
「ロキ様……起きて下さい」
「露天風呂はぁ……今日から……混浴になってぇ……ビバノンノンとなるのれす……」
「10……」
「9……」
「ねぇ、アイちゃん……ぼかぁ、おかしいと思うの……」
「何がです?」
「昨日あんなに活躍したのに、なんでこんな朝早く起こされなきゃいけないのかなぁ……今日は昼過ぎ、いや夕方までムニャムニャゴロンしてても許されると思うの……」
「女王様はお昼頃来られるそうです。先程連絡がありましたよ」
「そか、じゃあ来たら起こして……」
「3……」
「ねぇ、実家に帰るカウトダウン進めないでよ」
「じゃあ起きて下さい、朝食出来てるんですから」
「今日、何?」
「先日オヤマダ社長が下さった新米と焼き鮭、味噌汁、味海苔、お新香です」
「おー?良いねぇ、それ聞いて腹減ってきた、起きよ」
二人は共にダイニングに移動した。
ロキは目が開いてないので、アイーシャの肩に手を乗せてフラフラと歩いていく。
無駄に広いダイニングルーム、作った当初は長テーブルを使用していたが、二人で食事するのに無駄だという事で、今は普通のダイニングテーブルだ。
ロキはダイニングの焼き鮭の匂いを嗅いだ。
「あぁ、良い匂いだねぇ、アイちゃん」
「あちらの食事は本当に美味しいですよねぇ」
ロキは焼き立てカリカリの焼き鮭を頬張った。
「美味い!やっぱり日本人の朝食はこれだよねー」
「ふふっ、誰が日本人ですか、バリバリの異世界人のくせに」
「納豆あったよね?」
「はいはい、ありますよ。今持ってきます」
「あーいいよ、自分で取りに行く」
その時、スマホが鳴った。
「はいーはい」
「ロキ様、おはよーございまーーす!」
「うるさいよ、オヤマダ社長、こっちは寝起きなんだから」
「大変失礼しましたー!例の、魔王城の工事の件、準備出来ましたので、ええ」
「昨日の今日で流石早いな?」
「それはもう、早い、上手い、安いでここまでやってきましたので!それでですねー、工事日の打ち合わせ、その他諸々と、昨日お話したウチの秘書の勅使河原、こちらの顔合わせをですね……」
「あー、うん良いよ。でも今、アイちゃんと朝飯食べてるから」
「それはもうごゆっくりイチャコラして頂いて、我々は格納庫に先に行って待ってますから。朝食が終わりましたら少しお時間下さいー」
「あ、格納庫でも良いけど、多分黒龍いるよ?大丈夫かなその秘書の人、気絶するんじゃないか?」
「いや、それが黒龍様に早く会いたくて飛んだり跳ねたりうるさいの何のって……それでは、また後ほど……」
「アイちゃん、オヤマダが打ち合わせに格納庫に来るってさ」
「朝早いのに働き者ですね、誰かさんと違って」
「あいつはおじさんだから朝早いんだよ、ふん」
ロキは力一杯納豆をかき回した。
アイーシャはいつもと変わらないロキの様子を嬉しそうに眺めた。




