気に入らない奴は家に呼びたくない男
王都、完全に日が暮れて魔道具が灯す街灯が辺りを照らしている。美しい街並みだが、彼方此方で人命救助が続いている。
ロキとアイーシャの元に王都防衛隊のルイードが駆け寄ってきた。
「ロキ殿にアイーシャ殿、もう日も暮れましたのでお休み下さい。傷付いたヒーラー達も大分回復しましたから人員は十分かと思いますので」
「そうか、それじゃ女王とも話があるし、失礼するよ。あんたも働き通しで疲れているだろう?」
「いえ、お二人の働きに比べたら、まだまだ頑張ります」
それを聞いてアイーシャが答える。
「そう言わずに、貴方も休んで下さい。指揮する者が倒れては下の者が困ってしまいますから、ね?ロキ様」
「さっき、一人で勝手に行動して痛い目に遭ったヤツを見たからな。アンタも気をつけろよ、ルイード」
「はい、順番に休ませて頂きます!それではお疲れ様でした!」
「はいはーい、お疲れさん!」
二人は黒龍に戻って温泉にでも入って休む様に言い、その足で謁見の間に向かった。
「三日ぶりの謁見の間か……」
「いえ、数時間ぶりです」
「知ってる」
謁見の間の大きな扉を開け、ロキは顔だけひょっこり出した。
「おつかれさん」
「ロキィ……お疲れ様なのだぁ……そして、ありがとうなのだぁ」
「ロキ!今すぐ女王陛下に先程の戦いを説明しろ!あの得体の知れない空飛ぶ軍団と、あの音楽は何なんだ!」
「あー、うっさいなぁ、勝ったんだから少しは褒めろよ、おっさん。自分はなーんもしてないくせに」
「いや、褒めるのはやぶさかでは無いが、説明をだな……」
「女王には明日にでもウチのシアターで映像付きで話してあげるよ、おっさんは来るなよ?男子禁制だから」
「それは、明日が楽しみなのだ!」
「うんうん、それでね。さっき魔王城行ってさ、和平の提案して来たから」
「なに?また勝手に!女王陛下の許可もなく!」
「お前は本当にうるさいな。いつも先に吠えるが、自分がその子の後見人とでも思っているんじゃないのか?女王陛下を差し置いて発言するお前の方がよっぽど失礼だぞ」
「……」
「まぁ和平の提案はしたが、魔王のレイスが受けるかはわからん。仲間とよく話し合って答えを出せと言っておいたから、変に半端な兵力で反撃の狼煙とか言い出さない様に。次は俺、手を貸さないよ」
「わかったよ、ロキ。明日地下3階に行くよ!」
「うんうん、連れてくるのは女子だけだよ」
ロキは結局部屋に入る事なく扉を閉じた。
「ロキ様、明日女子だけ集めて何をするつもりですか?」
「いやいや、何もしないわ!あのゴルゴリーのおっさんが面倒だから来ないようにしただけだって。女子が来たらアイちゃんが温泉にでも案内してあげなよ」
「ふん、わかりました!」
「あ、アイちゃん先にお風呂入って良いよ。俺はちょっとのんびりしてから入るから」
「いいんですか?」
「うん、汗かいたでしょ?」
「はい、では30分くらいでササッと入ってきちゃいますね」
「1時間くらいゆっくりしなよ?今日は天気が良いから露天風呂から綺麗な星が見えるよ」




