100億年経っても面白くない女
僕は、ロキが嫌いじゃない。
アイツは本当に自分勝手で、ルールも守らず次元に顔を出して買い物したり、好き勝手やって。
だから処分されるのも当然なんだ。
アイツは本当に良い奴だから、僕が騙して記憶を消すなんて疑いもしなかった。だから簡単に事は運んだし、星が殆ど生まれなかった次元に突き落とせたんだ。
「嘘だね」
青髪の男の前に、長い黒髪の妖艶な女が現れた。
やはり裸体に白い布を身に付けただけの格好である。
「ちょっと、僕の心を読まないでよローズマリー」
「ハッシュ、お前がロキを暗黒の次元に突き落とさずに、あいつが好きそうな賑やかなあの星を狙って突き落としたんだ」
「ああ、そうだよ。だって記憶を消したんだからもう十分だと思ったんだ。あのお喋り好きなロキが誰もいない無の世界で永遠に一人きりなんて可哀想じゃないか」
「僕ちゃんは相変わらず甘いね、その結果がこれかい?」
「ローズマリーはロキにフラれたから憎いんだろ?知ってるよ、ロキに言い寄って言われたんだろ?お前は美しいが話が面白くないって」
「今、思い出しても腹が立つよ」
「ロキが言ってたよ、話が面白くないやつは100億年経ってもずっと面白くないってね」
「ふん、まぁいいさ、男には困ってないんでね。ハッシュ、ロキの処分あんたが出来ないなら私がやろうか?あいつは気に入った女に甘いからね、あの耳の長い女の身体を乗っ取れば簡単じゃないか」
「それは絶対に駄目。あの子をローズマリーが乗っ取るなんて、きっと拒絶反応で死んでしまうよ」
「おやおや、男ってのはああいう女が好きだねぇ」
「そんなんじゃない」
「心が筒抜けなんだよハッシュ。でも、あんまりぐずぐずしてたら私が勝手に片付けるからね」
「君にロキが斃せるもんか」
「まったく、どっちの味方なんだかわかんないねぇ。まぁ、しっかりやるんだよ、僕ちゃん」
青髪の男、ハッシュは頭を抱えた。




