ファンタジーオタの女
「それでは勅使河原君、何処から話そうか。まずは私の生い立ちから……」
「いえ、生い立ちは散々聞かされているので大丈夫です」
「でした、でした!それでは、ロキ様との出会いから……」
オヤマダはロキとの出会いから第一次魔族討伐に至るまでを話した。
勅使河原舞子29歳は既に信じられない様子で、目を丸くしている。
「これが、最初に映像に残したロキ様ね」
オヤマダはPCで撮影した映像を見せた。
「ちょっと……無理……死にたい」
勅使河原は両手で顔を塞いだ。
「え?何かの呪いにでもかかった?」
「イケメン過ぎて……無理」
ちょっと涙目になっている。
「あぁ、そういう……」
「で、これがロキ様の執事のアイーシャ様ね、エルフの里最強の魔剣士だよー」
「ちょまっ、銀髪エルフやん……耳長いやん……しかも美少女やん!」
「やんって……君、東京生まれ東京育ち悪い奴らはだいたい友達でしょうよ?」
「えー社長、ちょっとマジで無理なんですけどぉー!」
勅使河原はソファの上で身悶え始めた。
「話聞いてるのかな?」
オヤマダはその反応に少し、いや大分引いていた。
「……で、これがあっちの世界では最強の伝説龍と言われる、黒龍様だ」
「でかーっ!ありがたやーありがたやー黒龍様のお出ましじゃー」
勅使河原は遂に映像に向かって両手を擦り合わせて拝み始めた!
「て、勅使河原くん……キャラ変がエグ過ぎて何処から突っ込むか社長わかんないだけど」
「社長!何でこんな事を……もっと早くおしえてくれなかったんですか!」
「いや、まぁ普通信じてもらえないかなーってね」
「社長、私がD&D(Dungeons&Dragons)のガチプレイヤーって知ってますよね?」
「え、なんて?P&G?」
「テーブルトークRPGです」
「あー、うん知らなかったし、言ってないよ?勅使河原くん」
「まぁとにかく、私、私生活はファンタジーに塗れて生きてるんです」
「ファンタジーにまみれる……」
「次、いつ行くんですか?あちらに」
「いや、決まってないけど、多分船の改装の打ち合わせでロキ様に呼ばれるかなー」
「わかりました。秘書として次は絶対に同行します!」
(こんなにシュッとした勅使河原くんがファンタジーオタだったとは……バラしちゃって怒るかなぁ、ロキ様……)




