表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/117

移住区で待ち合わせ


 宇宙戦艦ウィガニス移住区。


 地上ではユーベによる白龍エルザの治療が続いている。

黒龍ノアは聖大樹の加護による回復を待ちながら、遠目からユーベとエルザを心配そうに見ている。

 

「どうだユーベ、治ったか?」

 ノア、本日5回目の容態確認である。

 

「だから今やっとるだろうが、何回聞くんだお前はぁ」

 汗だくで魔力を込めて患部を再生するユーベ。しかし、何しろ白龍の巨体である。無数に負った傷を治すのは容易ではない。


「心配なのだ!」


「ふん、龍のつがいというのは仲が良いの。お前ら子供はいるのかね?」


「いや、まだだ。我らは中々子供が出来ない種族だ」


「ははっ、確かにお前らのような巨龍にポロポロ子供が産まれたら他種族は堪らんわな。だが、子供が欲しいならロキに頼んで妊活でもしたらどうだ?」


「ニンカツ? なんだそれは」


「子供が出来るように計画を立てて、ここだっていうタイミングで集中してまぐわうのよ。龍の妊娠についてはよく知らんがな」


「なるほど、実は訳あって別居していたんだが、ロキに頼んで同居出来るようにしてもらおうと思っている……」

 まるで人間の夫が吐露するような話の内容に苦笑いを浮かべるユーベ。

その時であった。


「思う存分、翼を伸ばせる広いリビングと高い天井……それが条件だ……」

 エルザが軽口を言いながら目覚めた。

 

「おぉ、エルザ!」


「良かったな、黒龍。これで子作りに励める」


 そう話す見知らぬ人間を見てエルザ、

「誰だ、この下品なおっさんは?」


「お前の命の恩人だわ!」

 ノアとユーベは同時に突っ込んだ。


 ブゥーーンッ


 その音にユーベがいち早く上空を見る。

広がる巨大な転移魔法陣から、2本の足が現れた。

 

「おいおい、なんかデカいのが来たぞ……」


 2本の足は徐々に巨大化しているように見える。そして、それを追い越すように、小さい3つの人影が現れた。

ロキ、アイーシャ、魔王レイスである。アイーシャはこちらを指差し、ロキの袖口を掴み、真っ直ぐに向かってくる。


「黒龍ーーっ! 無事なのーー!?」

 アイーシャは近くに着地するや、急いで駆け寄ってきた。ロキとレイスはその後ろからゆっくりと歩いてくる。


「あぁ、俺は聖大樹の加護で回復した。エルザはさっきまで意識が無かったが、ユーベのお陰で目を覚ました」


「そう、良かったぁ!」

 アイーシャは安心して地面にへたり込む。


「ユーベ、ありがとな」

 歩み寄りながらユーベに感謝するロキ。


「なんの。造作もないわ」

 強がって見せたユーベの顔は汗だくだ。


 ボコッ!

近くの地面に亀裂が入った。

 

「ゴキュ?」

 レイスの気配を感じてゴーズが地面から顔を出した。そして、ゴーズが開けた穴からミニゴーレム達も次々と姿を現した。


「おぉ、ゴーズにミニゴーレム達よ。無事だったようだな」

 レイスが仲間の姿を見て安堵する。


 ロキはポキポキと指を鳴らしながら言う。

「よっしゃ!移住区暴れ隊とベッドでチョメチョメ強襲隊が揃ったようだな、それぞれ積もる話もあるだろうが、それはアレを倒してからだ」


「ロキ様……私、ベッドでチョメチョメ強襲隊だったの?」


 ズドォォーーーーーーン!


 土煙りを上げてウィガンが着地した。その巨体は体長30mの巨人へと変化していた。


「へっ、アイちゃん、黒龍、俺たちが体長100m、黄金の三頭龍を退治済みだって知らないみたいだぜ? あの程度でビビると思ってやがる」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ