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先生と俺  作者: みなと劉
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第7話

昨日、先生に教えてもらったクトゥルフ神話の話が頭から離れなかった。

あの不気味で、でもどこか魅力的な世界にますます興味が湧いてきた。

今日はもっと深くその神話について聞いてみようと思い、学校に行くのが楽しみでたまらなかった。

教室に入ると、先生はすでに席に座っていて、何かを読んでいた。

俺は少し緊張しながらも、興奮を抑えきれずに声をかけた。


「先生、おはようございます!」


先生は顔を上げ、にっこりと笑って応えてくれた。

「おはようございます、正彦くん。今日はまた何か新しい質問がありますか?」

俺はうなずいて、少し遠慮がちに言った。

「昨日のクトゥルフ神話がすごく気になって、今日はもっと深く教えて欲しいです。例えば、他の『旧支配者』とか、クトゥルフが眠る都市ルルイエについてとか…」

先生は俺の言葉に嬉しそうに頷き、

「素晴らしいですね、正彦くん。

クトゥルフ神話の奥深さに触れたいというのは、とてもいいことです。では、少しずつその世界を掘り下げていきましょう。」

と話し始めた。

「まず、クトゥルフ神話には、クトゥルフ以外にも多くの恐ろしい存在が登場します。

『旧支配者』と呼ばれる彼らは、宇宙の遥か彼方から来た超越的な存在で、クトゥルフと同様に人間の理解を超えた力を持っています。例えば、ニャルラトホテプ、ハスター、ヨグ=ソトースなどがその一部です。」


「ニャルラトホテプ…他にもそんなにたくさんいるんですね。」俺はその名前を聞いて、さらに興味が湧いた。


先生は続けた。

「ニャルラトホテプは、旧支配者の中でも特に奇妙な存在で、変幻自在の姿を持ち、時には人間の姿をとって私たちの世界に現れることがあります。彼は混乱と狂気をもたらす神であり、人々を惑わせる存在として描かれています。また、彼はクトゥルフ神話の中でも重要な役割を果たすことが多いです。」


「ニャルラトホテプが人間に姿を変えて現れるなんて、ますます不気味ですね。」俺はその話に引き込まれた。


先生は微笑んで、


「そうですね。クトゥルフ神話は、私たちの常識を超えた存在や出来事を描くことで、読者に独特の恐怖を感じさせます。

また、クトゥルフが眠る都市ルルイエもその一つです。ルルイエは、太古の時代に沈んだ海底都市で、クトゥルフがそこで永い眠りについているとされています。

ルルイエは、ただの都市ではなく、異次元や異空間と繋がっているとも言われており、その神秘性が物語をさらに深いものにしています。」


「海底に眠る都市…まるで夢の中の話みたいです。」

俺はそのイメージを思い浮かべながら言った。


先生は少し真剣な表情になり、

「そう、クトゥルフ神話は夢や無意識の世界とも深く関わっています。ラヴクラフトは、夢の中で人間が異次元や古代の記憶にアクセスすることができると考えており、その要素がクトゥルフ神話の中で重要な役割を果たしています。

クトゥルフの復活を告げる夢や幻視が、人々に恐怖と狂気をもたらすのです。」

と説明した。


「夢の中で神話の世界に入るなんて、想像するだけで怖いけど、すごく興味深いです。」

俺はその話に完全に魅了されていた。

先生は優しく微笑んで、

「クトゥルフ神話は、一見すると恐ろしいだけの物語に見えるかもしれませんが、その背後には深い哲学や心理学的なテーマが隠れています。未知のものに対する恐れ、そして人間の限界に挑む意欲が、ラヴクラフトの作品には込められているのです。」

と語った。


俺はその言葉に心を動かされ、もっとクトゥルフ神話を知りたいと思った。

「先生、これからももっといろんな神話について教えてください!」


先生は笑顔で頷き、

「もちろんです。正彦くんが興味を持っている限り、どんなことでも教えていきますよ。神話の世界は無限に広がっているので、これからも一緒に探求していきましょう。」

と言ってくれた。


俺はその言葉に胸が高鳴った。

先生との会話は、いつも新しい発見と驚きに満ちていて、これからも続けていきたいと思った。



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