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エレベーターの窓をぼんやりと眺めていた

いつも通り仕事が終わって家に着いたのが日付をまたいだころだった。


俺の部屋は9階にあるのでエレベーターに乗った。


目的階のボタンを押した後、早く帰って酒飲みたいななんて考えながらぼんやりとドアの窓を眺めていた。


エレベーターのドアの窓って、外が映ったり、暗くなった時には反射してエレベーター内が反射したりするじゃん。あれ見てたんだよ。


そしたら視界の端で階数ボタンが光るのが見えたんだ。7階かな、位置的に。


俺は誰か乗ってくるんだと思ってたんだが、ちょっとして愕然とした。


そんなわけがないんだよ。外から誰かがエレベーターのボタン押したとしても、中のボタンは光らない。


どういうことかと考えていたら、また奇妙なことに気付いた。


エレベーターの窓、暗くなって中が映るその一瞬に、俺以外の人間が映ってる。


慌ててあたりを見たが、当然誰もいない。


俺は窓を凝視していた。


一瞬だからよくわからないが、ワンピースにヒールを履いた、女のような恰好をした毛むくじゃらの何かが映る。しかも、だんだん近づいてくる。


でも俺はここで安心していた。外のフロアが映った時に、6Fの文字が見えたからだ。


ドアが開いた瞬間に走って出る。そのことだけを考えていたね。


でもエレベーターは減速することはなかったんだ。それどころか、9階すら通り過ぎていく。最上階についてもドアは開かずにそのまま下っていく。


怖くて目を閉じれなかった。


気付いたらその化け物は俺のすぐ近くに来ていた。後ろは振り返れなかった。


生臭い吐息が耳元で聞こえる。化け物がすぐ後ろにいるのが分かっていた。


すると突然、そいつは俺の左手をつかんだ。ぬめぬめとした感触だった。


声を挙げながら振りほどこうともがいた。でもそいつは石か何かでできてるようにびくともしなかった。


だんだん息がうまくできなくなってきて、でももがくのはやめれなくて、俺は最悪の行動をとった。


右手でそいつに殴り掛かるために、振り返ってしまった。


俺はそいつの目を見たと思う。


思うっていうのは、俺の記憶はそこで一気にぼやけているからだ。


次に目を覚ましたら病院だった。


俺は仕事帰りに乗ったエレベーターは地震で誤作動を起こし、俺を閉じ込めたまま動かなくなっていた。


そこに半日閉じ込められ、意識を失った状態で搬送されたそうだ。


実家からお見舞いに来た親にこのことを話しても、只の夢よと子供のようにあやされてしまった。ちょっとそれで安心してしまった。


ただ、不可解なことが二つある。


一つが、俺がエレベーターに乗ったのはたしかに日付をまたいだころ、遅くても1時頃だったはずだ。


しかし、その地震が起きたのは3時。時間が合わないこと。


もう一つは、あれから2週間、左手に手形のあざがくっきり残っていたことだ。

エレベーターの話、大きく定義したら密室系ですね。

この話の場合は、密室系、不可解な現象、妖怪、幽霊系が合わさってます。

おおもとの話は意味が分かると怖い話「エレベーター」です。そこにちょっと話を付け加えただけなのでさらっと怖くなりたいひとはそっちを読みましょう。

この話では地震について言及していませんが、この地震をちょっと有名な地震の名前にすると震災家の怖い話にもなります。震災で近所の神社が壊れてたなんて後日談も付け加えると完璧ですね。

エレベーターの怖い話はここ10年とかそのくらいで一気に増えたという話があります。

何でかって言うと、エレベーター内で起きた事件や事故が報道されるようになったからですね。詳しく知りたい人は「エレベーター 事件」でググって下さい。

紐でぶら下がってるだけの密室と考えると怖い話作りやすいです。また、もっと怖い話の前座に組み込みやすいのも特徴です。

今後も似たような怖い話が増え続けるんじゃないでしょうか。

最後まで読んでくれてありがとう。感想、アドバイス、こんな話も知っている、何でも送ってください。

また、すでに感想送ってくれた方ありがとうございます。マジでパソコンの前で小躍りしました。返信しっかりしたいのでもう少し時間をください。

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