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薬物中毒

いつになっても脱法ハーブみたいなのって話題になるよな。人間、一度しがみついた快楽には何としてでももう一度味わおうとするんだよね。


俺の父ちゃんの話なんだけどさ、父ちゃん薬局勤務なの。で、売り上げれば売り上げるだけ給料が増えるような職場だから、父ちゃん含めみんな血眼になって薬を売る。そんな薬局なのに唯一売るのに慎重になる薬があるんだ。


それが風邪薬。もっと言えば咳止め薬。どうしてだろうと思って聞いたらこんな話をしてくれた。


昔、結構薬の法律とかがあいまいだったころ、毎日咳止めシロップを買っていくお客さんがいたらしい。毎日一本、多い日は三本とかかっていくから、店としてはありがたい常連だし、店員としてはその客が来る時間帯にシフトが入れば自分の数字を盛れるからラッキーみたいな感じだった。


ある日その薬局に警察が来た。この男を知らないかって言って、見せてきたのが例の常連さん。もちろん知っていると言うと、そのお客さんにはもう薬を売らないようにって言われた。


店としては売り上げが大きく下がるからそんなの容認できないと言う。すると、警察はその男の身柄を先日確保したが、逮捕できずに釈放になったという話をした。


何で身柄を拘束したのかと聞くと、道端でラリってたところを職質し、薬物検査をすると当たり前のように反応が出た。しかし、肝心のクスリが見つからない。警察は入念に客の身辺を捜査した結果、この薬局に行きついたと。


当然店はそんな危ない薬を売ってるわけじゃないと反論するが、父ちゃん含む薬剤師の人は分かっちゃったんだよね。


って言うのも、咳止め薬って、中枢神経に作用して咳を止めるんだけど、その成分の一部は覚せい剤とかモルヒネとして作用しちゃうんだよね。もちろん、咳止め薬のなかの数パーセントにも満たない量が、しかも飲んだ人の数百人に一人くらいの割合でそうなる人がいるってだけだから考えてもなかったらしい。


そのお客さんは咳止めシロップを一気飲みしていたようだ。当然、一気飲みなんかしようものなら数パーセントに満たない量とはいえ覚せい剤として作用してしまう。


警察の言う通り、今後そのお客さんには二度と売らないようにしようってなったんだけど、そういう話になったってことをどこからかかぎつけるのかね。もうお客さんは来なくなったんだって。

この話は法律関係以外特にいじってない実話です。

今推理ものを書いているのですが、推理ものにできなかったプロットのようなものをここに投稿していくことにします。相変わらず不定期更新になります。推理もののリンク張っておくので良ければそちらもみてください。

https://ncode.syosetu.com/n5903hn/

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