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顕微鏡

俺が小学生の時、ガチャガチャで当てた顕微鏡で遊ぶのにハマっていた。


持ってた人いるのかわからんけど、葉っぱの葉脈くらいならじっくり見れる程度の性能はあるもんで、教科書の写真なんかと比べて、教科書は嘘つかない!なんてはしゃぎまわっていた。


外に出かけては落ち葉とか砂利とか拾ってきて覗いていた。科学者になった気分で楽しかったんだよな。


ある年の初詣、もう覚えていないけどちょっと遠くのでっかい神社まで行ったんだよ。両親は出店やらお守りやらに夢中になっていたが、子供の俺からしたらエアガンやゲームが手に入るわけでもない出店に興味がわかず、境内の隅っこで遊んでいた。


しばらく遊んでいるうちにふと足元で何かがきらっと輝いたことに気付いた。しゃがみこんでよく見ると、きらきら光る砂利があった。今考えると砂利の中にガラスかなんかが混じってただけだと思うんだけど、当時の俺は光る砂を手に入れたと思って大はしゃぎで持ち歩いていたジップロックに入れた。


家に帰ってすぐに自分の部屋から顕微鏡セットを持ってきた。砂利をジップロックから出して、セットしてさっそく覗き込んだ。


大小さまざまな石の中にきらきらと光るガラスの破片。地質調査をしているみたいで大興奮だった。


セットしている板を移動させていると、視界の端で何かが動いた気がした。それを中心に持ってくると、至って普通な石ころがあるだけだった。


動いた気がしたんだけどなあって思ってしばらく眺めていると、その石の中心らへんから目が出てきた。目が出てきたっていうか、目を開いたって感じなんだけど。


人間本当に驚くと声が出ないんだってそん時に知った。ばっちり目が合って、息を吸うのも忘れてた。


一分経ったか、経ってないかくらいの時に、耳元で声がした。


「じろじろ見んなよ」


しゃがれた男の声で、絶対にお父さんではなかった。びっくりして周りを見ても、ちょっと離れた場所でお母さんがお昼の準備をしているだけだった。


もう一度顕微鏡を覗くと、中心にあったはずの目のあった石がなくなっていた。

この話は神社とか心霊スポットの石を持ち帰ってはいけないっていうジャンルです。でも軸に「猛スピード」と「夜中に家から外を眺めるのが好きだった」っていう怖い話を置いています。二つを検索するときは検索ワードに「謎ログ」ってワード加えると見つけやすいです。

何で神社とか心霊スポットの石を持って帰ってはいけない帰ってはいけないかというと、日本には昔から山岳信仰とか巨石信仰があって、っていう話になるんですけど、初期のほうの話のあとがきにも書いた気がするので割愛します。ざっくりいうとでっかい石とか山には神様が宿っているって昔から信じてるのが日本人ていう民族なのでそう言われてるんだよって話。田舎の神社とかでよくしめ縄で立派になってる石とか見ませんか?見ないかな。北海道ではちょいちょいありました。

軸にしていると言った二つの話は、自分に物理的に気付けるはずがない人が自分に気付いているという怖い話です。短くてもちゃんとぞくっとできるのでいいですよね。

ホラー映画なんかでもよくつかわれる手法の一つじゃないでしょうか。化け物に追われて物陰に隠れて、そろそろ大丈夫かなと思って覗くとこっち向いてる、みたいな。結構ありがちな話ですね。


最後まで読んでくれてありがとう。感想、誤字脱字指摘待ってます。

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