障害者差別
結構胸糞かも。
特定の団体、事件を指しているものではありません。ご了承ください。
もう云十年前に、精神病棟から患者が集団脱走したって事件あったじゃん?
俺、あれをちっちゃいときにまだ生きていたおじいちゃんとみていたんだよ。
そしたらおじいちゃんが「当たり前だよな。」ってひとこと言ったんだ。
ガキだった俺はなんも考えずになんで?って聞いたんだ。その時話してくれた話。
おじいちゃんが若い頃は精神病の人も、身体障害者も、知的障害の人も、まとめて一つの病棟に入れられてた。
患者さんはだいたい家族の手に負えないって言って捨てられるように来た人か、当時の障害者への偏見を恐れて隠すように連れてこられた人かの二択だった。
だから、患者さんに何をしてもよかったんだ。
殴る蹴るの暴力は当たり前で、食事を与えない、水を与えない、暴言、いじめを患者同士でさせる、けんか賭博なんかもひどいところではあったらしい。
当然、そんなことをしていたら患者さんも長生きしない。てか普通に死ぬ。でもそれは問題にならない。なぜなら患者さんには身寄りがないから。
家族に死んだという報告をしても、大体「あぁそうですか」で終わる。なかには感謝されるようなこともあるらしい。それくらい昔の偏見と差別は酷かった。
ここまで話し終えたおじいちゃんは俺にこんなことを聞いてきた。
「そういった障害者を収容する施設がどんなところにあるか知ってるか?」
俺が悩んでいるとおじいちゃんは言った。
「答えはな、田舎の山奥なんだよ。脱走できないように、しようなんて思えないように。したとしても人里に降りる前に死ぬように。何より、その施設からの悲鳴とかが聞こえないようにな。」
幼いながらに人間が怖くてゾッとした記憶がある。
おじいちゃんが何でそこまで知っていたのかは知らない。最近老人ホームでの暴行事件のニュースを見てふと思い出した話。
それ関係で行くなら俺も一つ知っている。
俺は今田舎のでっかい福祉施設で働いている。
重度の身体障害者や知的障害者が、一般企業では働けないからって働きに来る、寮付きの施設だ。
もちろん今は上に書いてあるようなことは一切ないんだが、うちの施設ができてから50年以上たっているものだから、とにかく心霊現象が多い。
俺が体験した話で行くなら、古い倉庫に資料を取りに言ったら誰もいないはずの倉庫から「帰れ!!!!」って怒鳴られたとか。
トイレが新しくなって電気がセンサーで着くんだが、真っ暗だったトイレに入ったら個室が閉まってる。中で利用者さんが倒れてたら一大事だから、慌てて人呼んで中を開けたら誰もいない。
あとは定期的に塗られる壁があるんだが、なんで塗装を繰り返すかって言うと、どう見ても血の跡にしか見えないシミがあるから。
俺が体験してない話ももっとあるんだが割愛。
怖いのが、これら心霊現象には人の名前がついていること。
倉庫の声は加藤さん、トイレの個室は萩原さん、血みたいなシミは久保さん、ほかの心霊現象にもみんな名前がついている。
入社したてのころ、どうして名前がついているのか尋ねたら、黙って昔の利用者名簿を渡された。
付箋が何個かついていたのでそのページをめくると、加藤 英次、入居後4か月で倉庫内にて変死というページ。付箋には2週間の断食の末衰弱死って書いてあった。
ほかにも萩原さんも久保さんのページもあったが、要はみんな虐待の末死んでるのね。
あまり深堀すると後味悪いし、身バレするから勘弁。
ただ、最後に言っときたいのが、うちの施設も田舎の山の中に会って、獣もいないのに施設の周りを有刺鉄線が張ってある。どういう意味なのかは上のをみて察してくれ。
あんまり明言するとやばそうなんですけど、これはあまり創作していません。僕の知り合いの体験談です。
ジャンルは人怖ですね。
作中で障碍者を障害者と表記していますが、わざとです。僕個人的に障碍者という言葉が嫌いなのでこの表記にさせてもらいました。