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不思議な歌は「シラナイウタ」
だあれ? だあれ? あなたはだあれ? 私の心を惑わすもの? 私のことを攫う人? だあれ? だあれ?
その歌はまた脳内に響き渡る。誰かが私の頭に直接話しかけている。そんな気はしたが……それでも正体がわからない、というのは怖いし、この世界についてまだ知り切っていないというも怖い要因だ。どれほど怖いか。それはわからないけれど……それでもこれだけは、これだけは決定的にわかる。全てがもしうその世界があるのだとしたらここがその世界である。と。
カカシは私にこう話しかける。あなたが私のご主人か。そう話しかけた後にこうも言う。あなたのおかげで助かった。あなたは私の恩人だ。と。
訳が分からない……いまさっき出会ったばかりのはずなのに、このカカシはまるでずっと私を知っていたのかのごとく話しかけてきた。だが、それで……いいのだろうか?
そんなものでいいのだろうか……? 私にはもっと大切な何かがーーあった気がするのに。