表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千と一物語  作者: Co27
プロローグ
1/17

第0話 タダイマ

始めて書く小説なので至らぬ点もあると思いますが、生暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。

*更新は不定期です

 


 よく晴れた日に、とある丘の上にそれぞれ色が異なった花束が置かれていた。

 その花束の前には一人の少女が立っている。

 少女の足元にはいくつもの水滴が落ちてゆき、乾いた土を濡らしていく。


 王都では祭りが開かれ、全ての人が笑顔で家族や友人、恋人たちと騒いでいる。


 世界でただ一人、少女だけが泣いていた。誰も少女が泣いている理由は分からない。分かるはずがない。何故なら、少女自身さえも自分が泣いている理由が分からないからだ。


 ただ一人、──だけは知っていた、覚えていた、思い出した。もう一度繰り返すから泣いているのだと、忘れてしまったことを泣いているのだと、涙があることを確認しているのだと。


 太陽は雲に覆われ、世界は暗闇に支配される。


 少女は泣き止み、自らの帰る場所へと歩み始める。


 誰かが言った

「今度こそは」と、


 誰かが思った

「失いたくない」と、


 誰かが願った

「また楽しませてくれ」と、


 世界は回りだす。制御を失い狂ったように回りだす。

 もうだれにも止められない。




 ───丘の上には枯れた花の束だけが取り残されていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ