表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼女転生から始める異世界解読術  作者: りょう
第1章幼女エルフは本を好む
PR
11/92

第10話 転生者はツンデレ?

 アーニスが俺に解読してほしいと頼んできた本は、簡単に言うと魔導書だった。ある文献を読んだときにこの世界にも一応魔法と言う概念は存在していたらしい。しかしそれも昔の話で、今はおうその概念はないと言われていたが、どうやらそうでもなかったらしい。


「これは魔導書ですね。アーニス様は読んだのですか?」


「いえ、私には一体何の言語で書かれているのかさっぱりで」


 言語が分からないだなんてこの世界にもあるんだなと不思議に思いながら、俺はスキルを使って読み進める。ただこの本を読んだからといって魔法が使えるようになるわけではないらしい。魔法にもちゃんとした手順があるらしいが、別に魔法を使いたいわけではないので、読み進めた。


「それもしかして魔導書?」


 読んでいた本を読み終えたサシャルが俺が読んでいる本を見ながら聞いてくる。


「読めるの?」


「何て書いてあるかは分からない。けど、何となくそんな気がした」


「へえ」


 更に俺は本を読み進めていく。別に内容は特に違和感はなく、普通の魔導書なのだが、俺はその何でもない魔導書に違和感を感じていた。

 ただその違和感の正体に気がついたのはもう少し先の話になるのだが、今はそれよりも気になることがあった。


「そういえばこの本はどこから持ってきたんですか?」


「私の部屋にある本棚からです。この本以外にも是非読んでいただきたい本がありますので、今後も持ってきてよろしいでしょうか?」


「それは是非ともお願いしたいです!」


 ここにある本もまだまだたくさん残っているが、それでも魔だ読める本があるなら是非とも読破したいのが俺の本望だった。


「ふふ、本当ユウさんは本が好きなんですね」


「それが生き甲斐ですから」


 本が好きなだけ読める。


 世界を救うと言う役目を除けば、それは俺の幸せだ。前世で果たせなかった夢をここで果たせるチャンスなのかもしれない。


「生き甲斐……少しだけ羨ましいです」


「羨ましい?」


「あ、いえ何でもございません」


 こうして俺の本だらけの生活はまだまだ続いていく。


 ■□■□■□

 それから更に二日後、今度はラーヤが俺の元に本を持ってきた。


「あまりあんたには頼みたくないけど、私じゃこれ読めないから手伝って」


 相変わらずのツン具合にもすっかり慣れた俺は、彼女から本を受け取り読んでみる。ラーヤが読めない本とは何か気になりながら読み進めたが、何ともない普通の小説だった。内容も普通の恋愛小説だし決して難しくないはずなのに、どうも引っ掛かる。


「これは普通の恋愛小説だけど読めないの?」


「読めなくて悪かったわね!」


「悪いなんて一言もいってないけど……」


 実はこの前日にも同じことがあった。持ってきたのはリル。内容はこれまた魔導書だったのだが、文字が読めないと言うことで俺に渡してきた。魔法と言う概念がなくなったとはいえ、この世界にある本で有る限り決して読めない訳じゃないはず。それなのに本の内容はおろか、どういう本なのかも分からないのはおかしい。

 ここにこうして日本語でタイトルが書いてあると言うのに……。


「あれ?」


「どうしたの?」


「おかしい」


「おかしいって何がよ」


 今さらだがこの解読スキルの原理を説明すると、どうやらこの世界の文字を魔法によって日本語に変換してくれ、それが俺の目に写るようにしてくれていた。

 だからこの三冊の本に共通する違和感に気がつかなかった。


 この本達が元から日本語で書かれていることに。


 そう、これは魔法によって翻訳されておらず、そのままの姿で俺の目に写っていたのだ。だからラーヤ達が全く読むことができないのも納得できる。ただ問題は、


「ねえラーヤ、この本ってどこで見つけたの?」


「確か一年くらい前だけど、読めないからずっと放置していたのよ。でもそれがどうしたの?」


「あ、えっとちょっとおかしいなって思ってこの本」


 何故日本語で記された本がこの世界にあるかだ。しかも一年以上前からと言うことは、俺ではない別の誰かがこの世界に持ち出したことになる。俺とは別の異世界の転生者が。


「詳しい話はできないけど、この本は今度私が読めるようにしておいてあげる」


「本当に!? あ、そうじゃなくてえーっと、別に頼んではいないけど、その、やってくれるならお願い。あ、でも頼んでないんだから!」



「はいはい」


 あっ、とか言ってしまう辺りラーヤはツンデレというより、ただの恥ずかしがりやなのかもしれない。そう思うと可愛く思えてきたし、やる気も上がってきた。これは調べてみる価値があるかもしれない。俺以外にも居るかもしれないもう一人の転生者を。


「ところでユウ、ずっと気になっていたんだけど」


「何?」


「ユウってもしかしてこの世界の人間じゃない?」


 あまりにも直球な質問に俺は吹き出してしまう。まさか五日目にしてもう正体がバレたのか?


「ど、どうしてそんなこといきなり言い出すの?」


「信じられないと思うけど、私もそうだから」


「……え?」


 ラーヤが転生者? そんな馬鹿な話が、


「ラーヤ、それはどういう……」


「ごめん、今の話はやっぱりなし! 忘れて」


 ラーヤはそう言うと図書館の奥へと消えていった。


「え、えっと……」


 忘れた方がいいのか? 今の話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ