ウメノカ
「だって、だって そしたら人間でなくなってしまうよ」体が小さく震えるのを感じた
この人は何かを見つけたか決心したのか、いづれにしても嘘はついていないのがよくわかるのでそれが
恐ろしい
自分は震えが止まらないまま促されて足を進める
境界を超えると体が元に戻り大きくなった
もう、無垢で無防備な子供ではない
雪がちらちらと落ちてあっという間に激しくなった
あの人は反対側に歩いて天に昇っていく
大人になった自分を綺麗だと思ってくれるだろうか
あの人が振り向いた気配がして自分も振り向いた
そうしてその表情を認めた
ほんの少しだけ遠く見つめあってから振り返って歩き出した
それから自分の顔に微笑が浮かんでくるのを感じた
あの人が一瞬見せた表情、それだけで十分だった 同じ未来を過ごすなんて考えたこともなかったけれど
少しだけ夢をみよう
また会える、少なくとも来年には、一年はすぐすぎるし、その間は幸せでいられるだろう
雪は、風に乗ってどんどん細かくなり続けたが、しっかりとした足取りで歩いた
小さな狐家を胸に抱きしめて
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読んでくださったありがとうございます<m(__)m>