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見られちゃった!?

昼間にあんなことがあったがその後何も変化は無く、放課後を迎えた

しかし、なぜか昼ごろから私の方に視線がちらちらと集まっていたような気がしたがそれは思いすごしだろうと思った


私は昼間のことにちょっと落ち込みながら教室を出ると、拓海君がいた

いつものように男女問わずにグループの中心にいる彼が珍しく1人で廊下の壁にもたれかかりながら立っていた


誰かを待ち伏せしているらしく、私は不思議に思いながらも彼の横を通り過ぎようとした

けれど彼はそこで私に声をかけてきた

彼とは高校に入ってからはほとんど喋っておらず、なぜならこちらから喋りかけようものなら彼のファンが黙っていなかったからだ

なのでそのことにビックリしてしまったが内容の方に更にビックリした


「あ、桜待って。今日一緒に帰らない?」

「え?でもいつもの人達は?」

「あぁ、あいつらなら先に帰らせたから」

「そうなんだ・・・」

「だから一緒に帰ろ?」

「まぁ別にいいけど・・・」


そう言って私は突然の申し出に戸惑いはしたが嬉しさのあまり顔がニヤけないように頑張って表情を繕った

彼と私の家は隣同士で昔はしょっちゅう一緒に遊んでいた

久しぶりに一緒に帰るなと思い記憶を探ると、小学校以来だなと思い当たる

それからは無言で進んでいたがおもむろに彼が話かけてきた


「久しぶりだな、一緒に帰るの」

「フフそうだね、今私もそう思ったところ」

「以心伝心ってやつだな」


いきなりそんなことを言われて驚きと嬉しさに私は顔を赤らめて下を向き、押し黙った

彼はこの空気を変えるようにしばらくの間世間話をしてくれた

そして私達の家が目前と言うところで彼は私の手を引き、真剣な顔をした


「桜、聞きたいことがあるんだけど」

「・・・何?」

「・・・昼間、相崎にコクったって本当?」

「―――っ!?」

「やっぱりそうなんだ・・・」

「・・・どうして?」

「今日、体育館の裏で桜が相崎と会ってるところ見たって奴がいて内容は聞こえなかったらしいんだけど相崎が何か手紙みたいのを持ってて、桜が彼に抱きついていたっていう噂が出回ってたから、本当のところはどうなのかと思って・・・」


衝撃的な内容に私は呆然としていた

そこで昼間から付きまとう視線の意味を解して私は途方にくれる想いだったが自分の好きな人にまで誤解されたくないと思い、すぐに弁解した


「ちっ、違うの!それは誤解で・・・」

「じゃぁ、なんで一緒にいたの?」

「えっと、それはー・・・内緒!!」


無い頭で考えたがいい案が思いつかず、しかし本当のことを言えるはずもなく咄嗟に内緒と言ってしまった

そして恐る恐る相手を見上げると無表情で固まる姿があった

予想していなかった反応に私は困惑する


「ふーん、昔はどんなことも言い合ってたのに内緒にするんだ・・・」

「たっ、拓海君?」


表情はそのままに低い声で思ってもみなかった言葉を言われて今度は私の方が固まってしまった


「もう好きにすれば?」

「え?あっ、ちょっと拓海君!」


そう言って彼は私の手を離し、私が止めるのも聞かずにスタスタと去って家に入ってしまった

私はなぜ突然彼が怒って去ったのか分からずその場にしばらく縫いつけられたように突っ立っていた

その後私も自分の家に入り、部屋で着替えもせずにベッドに飛び込んだ


「今日は散々な一日だ・・・慣れないことはするもんじゃないなぁ。このまま拓海君に嫌われたらどうしよう・・・・・・」


そして、ため息をつきながら私は夕飯を食べて、お風呂に入り、宿題をしてから今日という一日を終えた

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