八人
今回も短めです。
場所は魔界です。
孝介は八人の美男子に囲まれた。
八人全員いつでも戦闘に入れる態勢だった。
(アキト。こいつ等知ってる?)
(知らん。魔王ディア様の夫だろ)
孝介は心の中で頷いた。
孝介とアキトが緊張感無く会話していると。
「お前よくも余計な事言ってくれたな」
と槍を構えた男。
リーダー格の男が。
「我々の安泰の為死んでもらいます」
リーダー格の男が合図を送ると孝介に襲い掛かった。
あっけなく孝介に八人の男は倒された。
孝介はくたくたになり屋敷へ帰宅すると。
黒いオーラが出たエレナとすれ違った。
孝介はエレナが怖くて寝れなかった。
孝介は欠伸をした
「ふあああ」
トントン。
ドアをノックする音が聞こえ、孝介はドアを開けた。
「こうすけ殿すまぬかった」
と頭を下げ謝罪したのは魔王ディアだった。
孝介の目向けは吹き飛んだ。
「何の事?」
「昨日夫が」
「誰から聞いたのですか?」
「私ですわ。ね、魔王ディア?」
と魔王ディアの後ろから声が聞こえ、ミシェルが部屋に入った。
「そうなのじゃ」
ミシェルは言った。
「昨日偶々見かけまして。こう、エレナ怖かったですわね」
孝介は昨日のエレナを思い出しゾッとした。
ミシェルは孝介の耳元で囁く。
「今度、デートして下さいですわ」
・・・
孝介は魔王ディアに聞いた。
「魔王ディアは謝りに?」
「それだけじゃ無いのじゃ。昨日別れた後、妾は考えたのじゃ。ミシェル殿、悪いのじゃが」
「分かりましたわ。私は席外しますわ」
「すまぬ」
と魔王ディアは言った。
ミシェルは部屋から出て行った。
ガタっとドアが閉まり。
「妾の事どう思っているのじゃ?」
孝介は考え込む。
{うーん・・・・・何かほっとけないんだよな}
「ほっとけない感じかな。何ていうか妹って感じかも」
「妹」
と魔王ディアは呟き。
(妹ならまだ望みあるのじゃ)
魔王ディアは決意した。
「そなたが今言った事聴いて決めたのじゃ。そなたの事信じるのじゃ。妾は夫と別れるのじゃ」
「別れる?」
「そうじゃ。そなたなら妾を独りにしないと思うのじゃ。それに昨日夫の行いもあるのじゃ」
{別れると知ったら、冥王ハデスはどう思うだろう}
と孝介は思った。
「こうすけ殿。妾の事はディアと呼ぶのじゃ」
「分かったよ。ディア。僕も孝介と呼び捨てで良いから」
「わかったのじゃ。こうすけ」
魔王ディアは八人の夫と別れた。
魔王ディアが夫と別れたニュースは魔界中に広まり、やがて冥王ハデスの耳に入った。
「こうすけお兄ちゃんすごいね」
冥王ハデスの心境は複雑だった。
感謝と嫉妬が交わっていた。
冥王ハデスは独り言の様に言った。
「そうだな。キャロ」
冥王ハデスから嫉妬は消え。
(これからも魔王ディアを支えてやってくれ。こうすけ殿)
「キャロ。始めるとしよう」
「分かったよ。ハデスお兄ちゃん」
冥王ハデスは動き出した。