依頼
孝介に依頼がきた。
賞金首討伐による成果だと孝介は思った。
依頼内容は北の遺跡周辺にいるモンスター退治だった。
それにしてもモンスター多いと思いながら孝介はモンスターを切り裂く。
ざっと見ても五〇〇体はいた。
モンスターは大半がゾンビだった。
「エレナお願い」
「解りました」
とエレナは返事をし魔法を発動した。
空から光の矢が降り注ぎ、
モンスターを貫く。
バタバタとモンスターは倒れた。
孝介があらかた片付いたと思っていると、
遺跡からウジャウジャとゾンビが出てきた。
孝介はエレナに聞こえる様に叫ぶ。
「退却!」
孝介とエレナは退却した。
孝介が依頼主の貴族に遺跡の事を問いただすと知っていた。
貴族は小馬鹿にした態度で言った。
「無事で何よりだ。遺跡に入る許可も取ってある」
貴族が指を鳴らすと二人が部屋に入ってくる。
一人は大男。もう一人は小柄な男だった。
「二人には君達の手助けをする様に言ってある。二人共自己紹介して」
と貴族が言うと大男から自分の名を名乗った。
「私、ノーインと言うの宜しくね。私、こう見えて探索系の魔法得意だから」
孝介は目線を大男から小柄な男に移す。
「次は僕だね。僕はシノン。まあ今回だけだね。よろしく」
孝介はノーインとシノンと握手した。
ノーインはクネクネしながら言った。
「ここから遺跡に入れるわ」
隠し通路から孝介、エレナ、アリシナ、ノーイン、シノンは入った。
遺跡奥地。
奥に居たのは。
「俺はダノン。言わなくて分かるぜ」
(あれは天使ですね。私には判ります)
孝介がカイトに聞いた。
(心読めるの?)
(読めますよ)
(分かった。気を付けるよ)
ダノンは構える。
「やろうぜ」
ダノンは地面に両手を当てた。
ニョキニョキと地面からゾンビ?が生えてきた。
その数三〇体程だ。
「言っておくがこいつらはゾンビじゃないぜ。グールだ」
「やれグール」
ダノンが指示を出すと孝介達にグールは襲い掛かる。
グールはゾンビより何倍も強い。
ノーインは戦力外。シノンはグールと一対一で何とか戦える程度。
孝介、エレナ、アリシナの三人は必然的に二人を護りながら戦う事になる。
エレナが演唱を始める。
孝介は聖剣で。
アリシナは光が纏ったナイフでグールを切り裂く。
片腕や片足を失っても動こうとするグールを見て、
孝介は気持ち悪いと感じた。
孝介は半数以上グールの首を刎ねたが動いていた。
エレナは演唱を終え魔法を発動した。
グールは炎に包まれる。
全てのグールは高温で焼かれ灰になった。
「ふはははは」
とダノンの笑い声が響く。
「やるね。これならどうだ」
ダノンは。
ブン。
ブブブブブン。
と炎の玉を連続で孝介達へ投げた。
孝介とアリシナは炎の玉を切り裂き、エレナは魔法の盾で防いだ。
ダノンは薄汚い白い翼を出した。
「焼き炭にしてやるぜ」
ぶぼぼぼぼぼ。
とダノンは先程の二倍の速さ、二倍の数で炎の玉を投げた。
「あいつは私がやるわ。こうすけ、エレナ達お願い」
「分かった。任せるよ。奴は心読めるから気を付けて」
アリシナは頷き炎の玉の飛び交う中、進む。
アリシナはダノンに聞えるように言う。
「残念ね、あなた、ここで死ぬわ」
炎の玉が大きくなってゆく。
「くたばれ」
ダノンは巨大な炎の玉を投げた。
アリシナは巨大な炎の玉へ飛び込み通り抜ける。
着地した瞬間アリシナは地面を蹴った。
(正面から切り裂く)
とダノンにアリシナの心の声が聞こえ、
ニアリと笑った。
アリシナは正面から突っ込む。
ダノンはアリシナを捉えた。
(もらった!)
と心の中で叫ぶ。
ダノンは渾身の一撃を放つ。
?
空を切った。
いつの間にかアリシナはダノンの後ろに立って居た。
アリシナは爽やかな表情で言う。
「ふふ。もう切っちゃった」
ダノンは消滅してゆく。
「何が?」
と言い残しダノンは身に着けていた物以外完全に消滅した。
「こうすけ帰ろうか」
「帰ろう」
ダノンが落としたアイテム三つと遺跡奥地にあった宝石? 一つを回収し
遺跡を後にした。
孝介達の報酬は一〇万ギニーとダノンが落としたアイテム三つだ。
遺跡奥地で手に入れた宝石?一つは貴族の物になった。




