救出4
ポタポタと垂れ。
激痛に悩まされ。
「う〜〜〜」
孝介はうめき声を上げていた。
そっとクロスは汗を拭いた。
そこにエレナが入って来た。
「こうすけさんのお体はどうですか?」
「そうですね。時々眠れる時があるようなので徐々に回復していると思います」
「そう」
(こうすけ、こうすけ)
孝介は心の中でカイトに呼ばれ目を覚ました。
カイトとアキトはパンツ一丁だった。
(ぶっ)
孝介は思わず吐いた。
(二人共なんて格好しているんだー)
(暑いからです)
確かにカイトの言う通りジメジメして暑かった。
孝介は首を横に振り。
(いやいや、いくら暑いと言っても…ないよな)
と思っているとカイトとアキトは服を着た。
(良かったです。少しは元気になられたようで)
と言い終わるとカイトの表情が穏やかな表情から険し表情に変わった。
(一時は本当に危ないところでした。あれは唯の蜂ではありません)
孝介は息をのみカイトの話を聴いた。
(魔界に住む蜂なのです。人間界に住む蜂より何倍も強力な毒を思っています。
人間界に行けないはずの蜂がどうやって行ったかなどの事は考えても仕方ない事。
今はゆっくり休めてください)
孝介は目を瞑った。
アリシナとミシェルは巨大モグラが掘った穴の中を歩いていた。
「この先、何かいるのかしら?」
「さあ、いてもいなくても私はどちらでも良いけどね」
アリシナはミシェルに聞かれ答えた。
ミシェルはアリシナに声を掛けた。
「そろそろ、魔法の効力切れますわ。魔法使いますわ」
「分かった」
二人は立ち止り。
ミシェルは魔法を使った。
「これで毒無効にしましたわ」
「それじゃあ、行こうか」
再び歩き出した。
穴を抜けアリシナとミシェルが見た物は。
大量の骨だった。
アリシナは手で口を押さえ。
「なによ。これ」
「獣人の骨だ」
声が聞こえ、アリシナとミシェルは視線を向けた。
男が居た。
ただ黒い翼が背中から生えていた。
男の口が開く。
「俺は天使だ。お前達はここで死ぬ」
バサバサ翼が動き二mほど浮いた。
男はニタっと笑みを浮かべ。
「俺はこうやって見下ろすの好きなんだよね」
男は指揮者のように手を動かし始めた。
骨は宙に舞い、磁石の様にくっ付いって行く。
骨だけで出来た巨大な獣人になった。
巨大と言っても全長三mほどだった。
巨大な獣人は雄叫びを上げた。
「グオオオオーーン」
雄叫びがアリシナとミシェルには鳴き声に聞こえた。
巨大獣人はゆくっり歩き出す。
ギスギスと骨が擦れる音が聞こえた。
ピタっと動きが止まった。
アリシナとミシェルは巨大な獣人を警戒しつつ、奥に居る自称天使を見た。
お腹に穴が開きドバドバ血が流れていた。
隣に血で赤く染まった何かが居た。
自称天使は赤く染まった何かを見ながら落下した。
「私に報告しろって言ったわよね」
と発したのは赤く染まった何かだった。
ペロっと血を舐め。
「美味しい。こうすけ殿によろしくね。また会いましょう」
赤く染まった何かは消えた。
自称天使は死に骨で出来た巨大な獣人はバラバラになった。
アリシナとミシェルは呆然と眺めているだけだった。




