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克服
短めです
冥王ハデスは孝介の正面に立ち。
「では始めようとしよう」
孝介は頷いた。
冥王ハデスは呪文を唱え、左手から炎を出した。
徐々に大きくしてゆく。
じっとエレナ、アリシナ、ミシェル、魔王ディアは見守っていた。
これはまずいじゃないの? と思うぐらい大きくなって。
アリシナは半歩動く。
魔王ディアが左手でアリシナの腕を掴む。
離してと言おうとしてアリシナは止めた。
魔王ディアがグッと感情を抑えているのが分かったからだ。
「はあー」
声共に冥王ハデスは炎を飛ばした。
孝介は炎に包まれ。
酸素が奪われる。
孝介は恐怖を感じた。
死ではなく別の恐怖を。
脳裏に冥王ハデスの言葉が浮かんだ。
《そなたは一人ではない。仲間がいる。恐怖を感じたら仲間を思い浮かべろ!》
仲間を思う。
もっと一緒にいたいと強く思った。
・・・
孝介は目を閉じ魔法を使った。
孝介は目を開けると布団の中だった。
(こうすけ、よくやりましたね)
(お前にしてはよくやったな)
カイト、アキトに褒められ孝介は少し口が緩んだ。
(疲れたからまた寝るよ。お休み)
孝介は寝た。




