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二つの魂  作者: kuu
19/31

孝介とティロ

短めです

 ミシェルは孝介をまじまじと見た。

(寝てますわね)

 ベッドに潜り込もうとした。

 ドタバタと音が聞こえ、乱暴にドアが開かれた。

 部屋に入ってきたはアリシナだった。

 アリシナは部屋に入るなりミシェルに怒鳴りつけた。

「ミシェル! 無断で孝介の部屋に入ったわね」

 ミシェルは何事もなかった様に平然と答える。

「アリシナ。何も怒鳴なくても」

 アリシナは少し呆れた様子で

「ミシェルあんたね。こうすけが寝ている時に部屋に入らないって決めたよね」

「そうでしたわね。でもよくわかりましたね、ここにいると」

「部屋に居なかったからもしかしてと思ってここに来たのよ」

 ミシェルはニヤニヤした。

「貴女もこうすけのベッドに潜り込む気だったでしょ?」

 アリシナは顔を真っ赤にして。

「違うわよ」

 アリシナはミシェルの腕を掴み。

「孝介が起きる前に出るわよ」

「引っ張んないで」

 アリシナはミシェルの腕を掴んだまま部屋から出た。

  

 翌日。

 ティロは夢を見ていた。

 暗闇の中、孝介をティロは追いかける。

 追いかけても追いかけても追いつかない。

 ティロは涙を流しながら追いかける。

 ここでティロは目を覚ました。

 ティロは涙を手で拭う。

「ぱぱ」

 ティロは部屋から出た。

 ロウソクの光が通路を照らす中、歩く。

 孝介の部屋に入り、ティロはベッドに入った。

 日が明けた頃、孝介は目を開けた。

 ぷにぷにっと感触が孝介に伝わり布団を勢いよく捲る。

 孝介の腕にティロが抱き付いて寝ていた。

 思考が一時的に停止する。

 ・・・

 孝介の思考が回復して。

「何故? ティロが」

 孝介はティロの顔に涙の跡がある事に気付き。

 静かに孝介は呟く。

「ごめん。寂しい思いをさせて」

 孝介はティロの頭を優しく撫でた。

 ティロはゆっくり目を開ける。

 ティロは孝介を認識した。

「ぱぱ」

 孝介は優しく言った。

「おはよう。ティロ」

 ティロはニコっと笑って。

「おはよう。ぱぱ」

 孝介はティロに話し掛ける。

「今日何所か遊びに出掛けようか?」

 ティロは孝介の瞳を見る。

「本当?」

「本当だよ」

 ティロは喜んだ。

「やったー。ティロ、着替えて来るね」

 ティロは部屋から出た。


 皆でキャンプに来た。

 ティロは、はしゃいでいた。

 無理もない見た目は一四歳ぐらいだが、精神年齢は幼い。

 孝介、クロス、モコ、ルイ、魔王ディア、ティロは芝生の上で遊んでいた。

 その間、ミシェル達はバーベキューの準備を始める。

 

 約二時間経過した。

「ぐう〜」

 とお腹が鳴る。

「ぱぱ。お腹すいたね」

 孝介は言う。

「そうだね」

 肉と野菜の焼ける匂いがした。

 孝介達はミシェル、アリシナ、エレナの下に駆け寄る。


 食後。

 孝介達は食器を洗い始めた。

 ティロが孝介の隣に立つ。

「ぱぱ、美味しかったね」

 孝介は頷く。

「美味しかったね。ティロ」

 少し離れた位置でアリシナとエレナは。

「エレナ。こうして見るとあの二人親子に見えるわね」

「そうですね。アリシナさんは良いんですか?」

「今日ぐらい・は、ね」

 二人の会話にミシェルが入る。

「こうの頼みですから」

 アリシナはミシェルを見て。

「そうね」


 夕暮れ。

 ティロは疲れて寝てしまったようだ。

 孝介は背負う。

 ティロは無意識に発した。

「ぱぱ。ずっと一緒だよ」


 孝介はティロをおんぶしたまま帰宅した。

 


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