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戦争清滅隊記  作者: 天狐
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1ページ ~不思議な少女~

柴洸の頬が勢い良くぶたれた音が響いた。


その後、一瞬辺りは時間が止まったように静まり返ったが、ぶたれた柴洸ではなくぶった少女のほうが、ほぼ半泣きで柴洸を上目使いで見上げる。


一瞬、柴洸は可愛いと思ってしまった。

その不意をついて柴洸をぶった少女は尻餅をつきながら柴洸の近くから後ずさった。が、すぐに背中がドスッと何かにぶつかった。


少女がビクビクしながらゆっくりと後ろを向くとそこには、にこやかに笑っているがその裏で黒いオーラが見え隠れしている優奈が立っている。


少女はゾットした物を感じ、体を震わせたがそのときにはもう少女の体は優奈によって立ち上がらされていた。


少女は叫ぼうとしたが恐怖で声が出ない、そしてそのまま優奈に家へと連れて行かれるのだった。


                    ※


「なるほど……逃げられた……と」

そこは窓一つないがほとんど教会などと同じ作りになっており、教会ならば祭壇になっている場所に王座に似たようなものが置かれており、その場所に座っている見た目は30歳前後の男が言う。


「も……申し訳ありません」

座っている男の前に片膝をついて顔を伏せながら体術の兵士の見受けられる服装をしている男が声の震えを隠せないまま言う。

男はそれを聞いた後立ち上がり指をパチンと鳴らす。


すると男の前でひざまずいていた兵士の声にならない悲鳴と共に彼の体に火がつき、最後にはただの砂が残るだけとなった。

それを見たのち男はフッと鼻で笑いこう言った。


「逃げても無駄だ、最後にはどんな形でも俺の所に来ることになる、どんな形でもな……」

男はそう呟き羽織ってるマントを(ヒルガエ)しながら闇の中に消えた。

                          

                               ※


「さーてと、とりあえず名前は?」

優奈は座っている彼女の目を見ながら問う。


「…………」

だが優奈の目の前に座っている彼女は下をむき一向に黙っている。


そんな彼女を返事はまだかと優奈は腕を組みながら見るが、このままでは一向に返事は帰ってこないだろう。

なぜなら返事をしたくないから黙っているのだろうと優奈は思っているのだろうが、柴洸の角度からはしっかり下をむいている彼女の顔が見える。

そして、何故返事をしないのかと理由は柴洸の位置から顔を見れば一目瞭然だ。

なぜなら彼女の目は閉じられていて、しかもこの静かな状況でほぼ聞こえないほどの寝息を立てて寝ているからだ。

柴洸はそれを知った瞬間、反射的に優奈に目線を注いだが、優奈は全くきずいていない様子でまだ腕組みをして目の前で寝ている少女の方を向いて動かない。


「なぁ……優奈」

柴洸は優奈が一向にきずかないと悟り、声をかける。


「…………」

だが優奈からも返事は帰ってこない、その瞬間、柴洸の脳裏に優奈も寝ているという笑える展開がよぎったが、考えても仕方ないと思い優奈の顔をのぞき込む。

すると案の定、寝息は立てていないものの、目を閉じ立ったまま眠っている。


「ちょっと、優奈起きろよ」

柴洸は呆れ顔で優奈を呼び起こそうとする。

だが、たって寝ている優奈は揺さぶらても起きる気配どころか押された反動で倒れる気配もない。


その光景を目にした瞬間、柴洸は悟った優奈は寝ているのではないと。

本当に寝ているのは椅子に座っている小女のほうだ、微かだが寝息が聞こえる。

では、優奈はどうなっているのかそんな疑問が柴洸の頭に浮かびかけた時、聞き覚えのある悲鳴が耳に飛び込んで来た。


柴洸が先ほどまで少女が眠っていた椅子を見ると思った通り、寝ていた少女が起きていた、だがその目にはあったときの怯えている姿はなく、逆に何かを決めたように柴洸の方に歩み寄る。

「もう一人……見つけた……」

その言葉を聞いた瞬間、柴洸の意識はまたたく間に闇に吸い込まれていった。


                            ※

 


「ちょっと……柴洸……おきな……さいよ」

柴洸はもうろうとする意識の中でそんな声を聞き取った。

誰の声かは一目瞭然で優奈の声だ。


その思考を頑張って巡らせる柴洸の腹に例によって強烈なパンチがお見舞いされる。


そのおかげで唸り声を上げながらも柴洸は飛び起き目を開いたのだが、そこには病院の病室に似ている光景が広がっていた。

ただ一つ違うのは病室なら患者が外を見られるように窓がついているのだが、ここには窓が一つもない。


「ここ、どこだ……」

柴洸はとりあえず冷静にと思い、焦りを隠しながら聞く。


「わからないけど、地下っぽいよ、窓もないし何より何も音が聞こえない。人の声も……ね!」

最後の〝ね〟が口から発せられると同時に優奈が右手に縮小されて握られていただろうショートソードの剣柄を拡大し、錬金術で刃を構成して柴洸の首元に切りかかる。

それを悟った柴洸だったがその時にはもう遅く両腕を顔の前でクロスし顔を守ることしかできなかった。


「反応は出来るんだー、完全素人じゃなさそうねぇ」

柴洸はその言葉を聞きながら目を開けるとそこには腕の1mmほどの距離で止まっている青色に輝くショートソードの刃があった。

それを握っているのは、先ほどまで話していた優奈ではなく、優奈に似ている赤髪にショートヘアの女性だ。


「梨恵さん……何してる……?」

その時、部屋の扉があき見覚えのある二人が入ってき、右のピンク髪の少女が言う。


「あ……、予想以上に早かったわね。ただ本当に大丈夫か試しただけよ。それじゃーねぇ」

そう言い残すと梨恵の呼ばれた女性は部屋を去ろうと、優奈たちが立っているドアに向かう。


「待って、姉ちゃん何してたの。答えて」

梨恵がドアの所まで来ると、優奈が通せんぼして問う。

柴洸は昔この家に来たとき優奈に姉がいることは聞かされていたが、もう家を出て就職しているとかで一度もあったことはなかった。

だが、先ほど自分にショートソードの刃を向けていた女性はどうも優奈の姉らしい、がどうしてこんなところにいるのだろうか柴洸はそんなことを頭の中で考える。


「あの……さ、柴洸くん……?困ってる……」

柴洸が困っていると悟ってか互に何も口から発そうとしない二人に横で見ていたピンク髪の彼女が言う。

すると二人は我に帰ったかのように互に隅により、何も言葉を交わさずにすれ違う。


「んで、姉さんに何されてたの、柴洸は」

梨恵が部屋の声が聞こえない距離に行ったことを確認しながら、ふてくされた様子で言う。


「えーと、ただ試しに切りかかられただけだよ」

ふてくされた様子が発した言葉からはっきりと感じ取れたので少し気になった柴洸だが、ここでなぜ不機嫌になったのかと質問をすると答えは帰ってこず、腹にパンチが帰ってくる気がしたので柴洸は思いとどまり答える。


「ただねぇ、まぁいいわここの説明もしなきゃいけないし」

優奈はそう言ってベッドの横にある机の上に置いてあった何かのリモコンを手に取り、部屋のちょうど前に当たる方向に向けボタンを押す。


すると上の方からおそらく魔術で縮小されていたであろうスクリーンが拡大されて出てきた。

そして、優奈がリモコンのボタンをもう一度押すと内蔵されていたらしい動画と音声が流れてきた。





〝この世界は五ヶ国により戦争が行われており、最初に攻撃を受けたのはこの国、石英国だ。

 その戦火が広がる前石英国の王はこの戦争が終わるにせよ、終わらないにせよ表立ったものだけでは

 防衛勢力が足りないと判断した。

 そして大臣たちに隠れて防衛や兵の手伝いをする部隊を作るように命じた。

 そして命じられた大臣たちは試行錯誤を重ね3つのギルドを作りだした。

 その一つがこの南龍ナンリュウギルドだ他には西虎セイコギルド、東鮫トウコウギルドなどがある。

 今は与えられた防衛や、兵の手伝いなどに加えて住民などの困り事なども処理する仕事も行ってい  る。

 だが、この南龍ギルドは特別だ、なぜならこの世界にも5人しかいないと言われている、空間移動の 魔法を使える少 女がいる。しかも、その5人の中でただ一人、次元移動魔法を使えるのだ。

 次元移動魔法とは次元と次元を移動でき、その世界への干渉なども行える。

 いままでは伝説の魔術などと言われていたが彼女が出てきたことでそれは覆された。

 なお彼女の存在は公にはなっていない……〟



その動画が流れた後、柴洸はあまり理解が追いつかなく呆然とその場に立ち尽くしていた。


考えるのにだいぶ時間がかかってしましました……。

しかも内容はなんか微妙……?

一応見直しなどはしているのですが、誤字、脱字などの修正や、アドバイスなどあればお願いします>< 

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