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戦争清滅隊記  作者: 天狐
1/2

~プロローグ~


深海色と呼べる髪をした少年は自分の2倍もありそうな武装した物体に向かって叫び声を上げながら剣を振りかぶり振り下ろした。


すると、後ろで「柴洸ッ」と赤髪でショートカットの少女は叫び、少年の方を見据えロッドをかざす。


その刹那、少年の体が赤く光り加速する。



その加速したスピードのまま残像を見せながら左右に移動し相手を翻弄する。

少年が攻撃を仕掛けようと半歩前に出た次の瞬間、相手の武装しているアーマー背部からミサイルが発射される。


すると、少年の右斜め後ろから「柴洸さん、下がってください」と声が聞こえたかと思うと少年の後ろで


緑色の長髪の女性が手を前にかざし、目の前に透明のフィールドを張る。


そのフィールドに弾かれミサイルは次々と少年に届くことなく爆発していく。

その直後、まだミサイルの爆風が全て消えないうちに少年の右横を黒髪のポニーテールの少女が横切った


かと思うと相手の装甲にバチッという音と共に火花が散り、その部分が徐々に溶けてゆく。


その装甲が溶けた部分から茶色い毛で覆われた体が見えたがその部分を手で隠した相手は叫び声を上げた。


その隙を待ってましたとばかりに少年は足に力を込め相手の頭上に飛び上がったがその刹那、相手の長く太い腕が少年に向かって降り下ろされる。


少年がマズイと思い目を閉じた瞬間、彼の肩に何かが触れたかと思うとジェットコースターなどに乗ったときに感じる落ちる感覚に似たものが彼を襲った。


そして少年が次に目を開けた時に目の前に合った光景は相手の背部だった。


「チャンスです。終わらせてください」

ふと、彼の肩をつかんだ濃いピンク色の長髪で少し茶色かかっている少女が囁いた。


彼はコクリと頷きもう一度足に力を込め飛び、相手の背後から剣を振り下ろした。

                       

                   ※


時はフォーバム5年、今この世界では歴史上に例を見ないほどの大きな戦争が起こっていた、戦争の原因はフォーバム元年、人口の増えすぎで不足した食料を補おうとゼラッカーキングダムという国が石栄国を攻撃したことから始まった。


すると石栄国も魔術、錬金術、超能力、体術、科学などの技術を駆使し武力で応戦した。


フォーバム2年には、戦火の炎は大陸全土に広がりミシュラート、元の国、ネイドロ連邦も参加し、世界の中でも勢力が大きい五ヶ国が争うことになったが、今となっては最大90億近かった世界の人口も今では70億人ほどに減少し、食料不足の問題も大分改善されたはずなのに五ヶ国どこの国も戦争をやめようとしない。


理由は一つ、ここで引けば確実にその国は植民地にされるからだ。

言うまでもなく引くということは降参を意味する、すると停戦の交換条件として国の植民地化を求められるのが自然というものだ。


なのでどこの国も植民地化はしたくないので戦争が終わらないということになっているのだ。


そんな戦争の中、石栄国のクェンド学園に通っている少年がいた彼の名は蝉無 柴洸、深海色の短い髪で体格は17歳の男子にしては並みだ、彼は12歳の時、戦争での金銭的な問題のため両親に捨てられ孤児院に引き取られた。

そのため彼は人とコミュニケーションをとるのが苦手で言葉が単語単位でしか出てこなかった――彼女と会うまでは……。

                      ※


「……ダメじゃん。もっと明るく生きなきゃ」


12歳ぐらいの少女がこっちを見てニコッと笑う。

顔は何故か見えないが彼女が少年のことを心配しているのはなにとなしにわかった。


「無理……だよ」


言われた少年は今にも泣きそうな顔をしながら否定する。


「ダメだよ、そんなの……悲しいじゃない」


一瞬顔を俯けた少女だったが、またすぐに前を向き笑いながら言う。


「悲しくなんてないよ…………」


少年は否定を続けようとするがもう次の言葉が出てこない。


「なら、前を向こうよ、ほらっ」


彼女は少年の次の言葉が出てこないのを悟ったようにそう言い彼の手を握り走り出した。

そして、同時にかすかに自分の名前を何回も誰かが呼ぶ声が聞こえ出す。


「おぉぉぉきいぃぃぃなあぁぁぁさぁぁぁいぃぃぃ」


その叫び声が聞こえた直後彼の腹に拳が滑り込んだ。


彼はグアッと唸り声を上げ眠りから覚め目を見開く。

彼の名は蝉無センム 柴洸サイコウ深海色の短髪に体格は17歳の男子にしては並みのクェンド学園の2年生だ。ちなみに学校では体術科を学んでいる。


「やっと起きたか、全く」

柴洸が目を開けた先には赤い髪をした少女がため息をつきながら立っていた。

彼女は治恵守チエカミ 優奈ユウナ柴洸を引き取った治恵守家の一人娘で赤い短髪が特徴的な柴洸の幼馴染である。なお学校では魔術科の授業を取っている。


「優奈……もっとましなお越し方できないのか」


柴洸は殴られた腹をさすりながら優奈の方を見て言う。


「起きない柴洸が悪い」


優奈はドヤ顔でそう言い放ちその後「早く起きてよー」と言いながら柴洸に背を向け右手を上げながら部屋を出ていった。


優奈が出ていった後、柴洸は「あの時の夢か……」と呟き身支度を始めた。



柴洸は身支度を済ませたのち、優奈が用意してくれた朝食を食べ先に学校に行った優奈の代わりに家に鍵を締め学校へ少し急ぎ足で向かった。


柴洸が教室についた時にはもうほとんど時間ギリギリだったがなんとか間に合った。


すると教室のあるグループから「柴洸間に合ったんだー」と言う声が聞こえて来た。


声の主は言うまでもなくまだ眠そうにしている優奈だった。


「よっ、まだ眠そうだな」


柴洸は優奈の様子を見て言い、自分の机にカバンを置きながら言う。


「ホント眠いわよ、あんたは良く寝れていいですね」

優奈が皮肉混じりに言い放つ。


「おうおう、お二人さん中が良いご夫婦で」

そう言いながらやって来たのは真間シンマ 騎羅キラ金髪の短髪で17歳にしては少し大きめのがたいをしている、柴洸と優奈の中学からの親友だ。同時に中工場の跡継ぎでもあり、機械がすごく得意でもある。なので勿論、受けている授業は機械科だ。


「どこが夫婦じゃい」と二人は声を合わせて騎羅に突っ込む。


「こういうとこが」と騎羅は口に手をあて笑いながら言う。


その直後にチャイムが学校中に鳴り響き生徒たちは各々の席に付く。

柴洸たちも例外ではなく、これから始まる長い授業を考え、ため息をつきながら席に向かった。

                      

                    ※

「お……終わった」


優奈は6時限目の授業が終わると同時に柴洸の席に来てそう言いながら机に倒れ込んだ。


「死にかけてるな」

と騎羅も柴洸の席にやって来、倒れ込んでいる優奈を見ていう。


「死にかけてない、死んでるんだ!」


優奈は自信満々に言うが全く格好よくない。


「よーし帰るか」


白けそうな雰囲気を察した柴洸は優奈をスルーして言う。


「ちょ、無視しないでぇ」


優奈が甘えた声で言うがわざとだと分かっている二人はそのまま鞄を背負い教室を出ていこうとする。


「ひど」と一言、言い放ち優奈も自分の机から鞄を取り二人を小走りで追いかける。

二人は優奈が追いついたのを確認して歩き出す。


優奈と柴洸は家が同じで騎羅は二人の家から少し北へ行ったところなので中学生の頃に友達になってからほぼ毎日一緒に帰っている。三人はいつものようにたわいもない会話を交わしながら帰り道を歩いていた。


そして、騎羅が家の方向に曲がって柴洸は騎羅が居なくなったのをいいことに先週の日曜に起こった騎羅の笑い話をしようと口を開きながら角を曲がった。刹那、キャッと悲鳴が聞こえたかと思うと柴洸の胸にピンク色の物体が飛び込んで来た。


二人は一瞬あっけに取られたが、飛び込んで来た物体がピンク色の長髪をした少女だと分かった時にはもう空いた口が塞がらない状態だった。


その少女はイタタタ……と呟き顔を上げるがその顔がみるみる赤くなり、真っ赤っかになった時には少女の右手が悲鳴と共に柴洸の頬にビンタを食らわせていた。


続く分からないですが一応長編を・・・・・・。

誤字、脱字などあればご指摘お願いいたしますm(__)m

アドバイスなどもあればくだされば幸いです。

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